ウクライナ生まれの米共和党議員、祖国の政府を痛烈批判 同僚から「乱暴者」と苦言も

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批判の対象はウクライナ政府であり、国民のことは深く気にかけていると強調する/Graeme Sloan/Sipa USA/AP

批判の対象はウクライナ政府であり、国民のことは深く気にかけていると強調する/Graeme Sloan/Sipa USA/AP

国外でも懸念の声

スパーツ氏の言動に対する懸念は米国内にとどまらない。元米中央情報局(CIA)アナリストのエリッサ・スロトキン下院議員(民主党・ミシガン州選出)は、最近受け取ったウクライナの国会議員からのテキストメッセージに言及し、同国でのスパーツ氏評を明らかにした。それによると、スパーツ氏が「利用されている」のかどうかは判然としないものの、「本人のウクライナでの評判はがた落ちになった」というのが議員らの見解だという。

「指導者層は皆、この話題で持ちきりだ。彼らは気分を害している」「彼らには、なぜ彼女がこんなことをするのか理解できない」(スロトキン氏)

過去数カ月のスパーツ氏の言動を巡り、ウクライナの当局者らは一段と警戒感を募らせていると、現地の情報筋はCNNに明かす。とりわけ大統領府の長官を務めるアンドリー・イェルマーク氏に対する執拗(しつよう)な攻撃が問題視されているという。先月のツイートでスパーツ氏はイェルマーク氏の「非民主的な統治」を非難。世界的に「評判の悪い」人物と断じた。また同月8日にはバイデン氏に送った書簡の中で、イェルマーク氏及び「同氏が行ったとされるロシアと関係のある取り引き」に特化した状況説明を求めた。

イェルマーク氏がロシアとビジネス上のつながりを有しているとの疑惑は、戦争前にラジオ・フリー・ヨーロッパが報じた内容と同様のものだ。ただ同氏がクレムリンの影響下にあるとの証拠はなく、本人も疑惑を否定している。

ウクライナの当局者らは、スパーツ氏の動機に疑問を投げかける。6月24日、ゼレンスキー氏の側近の1人に送ったテキストメッセージの中で、スパーツ氏は同側近を「然るべき人物に引き合わせる」と提案している。本人によればウクライナ軍の勝利に貢献できる人物だという。

このテキストメッセージについて尋ねられたスパーツ氏は、ウクライナが戦争に勝てるよう手を貸したい人々との関係作りを手伝いたかっただけだと説明。具体的には、自身の友人でもある複数の退役軍人を指しているとした。

情報筋によれば、ウクライナの当局者らはイェルマーク氏とスパーツ氏の会談の場を設置すると申し出たが、スパーツ氏はこれを辞退した。同氏はCNNに対して会談の申し出があったことを認めたものの、当時ウクライナ外務省がイェルマーク氏への攻撃を「ひねくれた」、「根拠のない」ものと批判したと指摘。

「そのような状況では、会談を開いても得るものがないと判断した」と語った。

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