米超党派の銃規制強化法案が成立 バイデン氏署名、「多くの命救う」
(CNN) 米国のバイデン大統領は25日、数十年ぶりとなる主要な銃規制の法案に署名した。国内で最も議論の分かれる政策問題の一つについて、超党派による重要な突破口が開いた形だ。
バイデン氏はホワイトハウスで署名を終えるにあたり、「うまくいけば、多くの命を救うことになるはずだ」と述べた。
今回の法律制定に先立って、米国では複数の銃乱射事件が起きていた。テキサス州ユバルディでは小学校が標的にされ、ニューヨーク州バファローでの事件は黒人の住人が多い地域のスーパーマーケットが現場となっていた。
超党派の議員らがまとめた当該の法案は23日夜に上院を通過。下院も24日に採決を行い、賛成234、反対193でこれを可決した。共和党から14人が民主党議員と足並みをそろえ、賛成票を投じた。
今回の規制法は1994年に成立し10年で失効したアサルトウェポン禁止法以来、最も重要な連邦レベルの新規立法となる。ただ、何らかの武器を禁止したわけではなく、バイデン氏や民主党が提唱していた内容や、世論調査に示された米国民の要望からは程遠い。
「この法案は私の望むことを何でもしてくれるというわけではないが、そこに含まれるいくつかの行動は私が長い間求めていたものであり、人々の命を救うことになるだろう」と、バイデン氏は述べた。
同法は各州が実施する危機介入プログラムに7億5000万ドル(約1000億円)を充てる方針を盛り込む。同プログラムは裁判所の命令を通じ、危険とみられる人物に対して一時的に銃器へのアクセスを阻止できるという内容。
また同居や結婚していない家庭内暴力の加害者などが銃を買える「ボーイフレンドの抜け穴」をふさぐ措置のほか、全米犯罪歴即時照会システム(NICS)に少年時代の記録を入力するよう各州に促すインセンティブなども含む。
精神衛生のプログラムや学校の安全に振り向ける資金も増額する。