遭難ハイカー、低体温症で死亡 過酷な状況で救助の甲斐なく 米ニューハンプシャー州

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ニューハンプシャー州の登山道で遭難したハイカーが低体温症となり、救助後に死亡した/Google Maps

ニューハンプシャー州の登山道で遭難したハイカーが低体温症となり、救助後に死亡した/Google Maps

(CNN) 米ニューハンプシャー州のワシントン山に近い登山道で、悪天候のために動けなくなったハイカーが相次いで救助された。救助隊が過酷な状況の中で助け出した男性は、重い低体温症のために死亡した。州当局が20日に明らかにした。

死亡したのはマサチューセッツ州在住のシー・チェンさん。「救助されなければ死にそうだ」と伝えるメッセージを受け取った妻が、現地時間の18日午後6時半ごろ、当局に通報した。

州当局にはその時点で既に、複数のハイカーから救助要請が入っていた。大部分は標高の高い地点で寒さや風雪のために動けなくなっていた。チェンさんについては差し迫った状況にあると判断した救助隊が直ちに出動。州内の山岳救助隊などにも応援を要請した。

山頂付近は気温が氷点下に下がり、雨、みぞれ、雪、突風に見舞われて危険な状況にあった。

2班に分かれた救助隊は午後9時半から10時半ごろにかけて山頂付近に降り立ち、たたき付けるように降る雨や雪、暴風の中、チェンさんがいると思われる地点を目指した。

午後10時38分ごろ、救助隊に発見されたチェンさんは既に意識がなく、重度の低体温状態に陥っていた。救助隊は仮設の避難所を設置してチェンさんの体を温め、生命の兆候が検知されたことからワシントン山の山頂に搬送。チェンさんは山頂でトラックに乗せられ、待機していた救急車で病院に運ばれた。

病院では数時間にわたって蘇生措置が行われたが、チェンさんが息を吹き返すことはなく、死亡が確認された。

州当局によると、18日に救助を求めたハイカーの多くは、この日予想されていた悪天候への備えが不十分だった。それにもかかわらず、安全な地点まで引き返すことなく登山を続け、最終的に救助を求めるに至ったとしている。

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