バイデン氏、対ロシア追加制裁を発表 「プーチン氏がこの戦争を選んだ」
(CNN) バイデン米大統領は24日、ウクライナへの全面侵攻に踏み切ったロシアに対する新たな厳しい制裁を発表した。バイデン氏はロシアのプーチン大統領による侵略を批判する一方、新たな制裁がプーチン氏の行動を変えるには時間がかかることも認めた。
バイデン氏は演説で「プーチン氏は侵略者であり、プーチン氏がこの戦争を選んだ。彼と彼の国は報いを受けることになる」と述べ、ロシア経済に厳しい代償を科す一連の措置を公表した。
新たな制裁にはバイデン氏の対応の柱となる技術関連の輸出規制が盛り込まれており、軍事・航空宇宙分野を育成するロシアの能力を厳しく制限する内容だとしている。またロシアの銀行や、クレムリン(ロシア大統領府)に近い「腐敗した億万長者」とのその家族にも制裁を科した。
制裁はロシアのほか、ベラルーシの個人も対象とする。ベラルーシがロシアの攻撃を容易にする役割を担ったとして、同国の国防相などが対象に含まれる。
バイデン氏はこのほか、北大西洋条約機構(NATO)の東側に陸空軍を新たに派遣すると発表したものの、米軍はウクライナ紛争に直接関与しないとの従来の立場は崩さなかった。
演説はホワイトハウス・イーストルームから行われた。バイデン氏が公の場に姿を現すのはロシアが23日遅くに攻撃を開始してから初めて。
バイデン氏はプーチン氏に全面侵攻を思いとどまらせるために一部の影響力を残しておきたい考えから、今回の制裁を保留していた。しかし今のところ、欧米による経済制裁の脅しや、ロシアの軍備増強に関する米国の情報を公表してプーチン氏に再考を迫るバイデン氏の戦略は、効果を上げていない。