女性作家レイプの罪で収監の男性、米裁判所が有罪評決を取り消し 16年服役

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自身の有罪評決が取り消されたのを受け、泣き崩れるアンソニー・ブロードウォーター氏/Katrina Tulloch/The Post-Standard/AP

自身の有罪評決が取り消されたのを受け、泣き崩れるアンソニー・ブロードウォーター氏/Katrina Tulloch/The Post-Standard/AP

(CNN) 米ニューヨーク州の裁判所はこのほど、女性作家アリス・シーボルド氏をレイプしたとして収監され出所した男性(61)について、有罪評決を取り消した。シーボルド氏は小説「ラブリー・ボーン」で知られる作家で、回想録「ラッキー」でレイプ被害について記している。

アンソニー・ブロードウォーター氏は1982年に有罪を言い渡され、16年あまり服役した。弁護士らによると、自身の犯していない罪を認めようとしなかったため、仮釈放を認められないケースが少なくとも5回あったという。

ブロードウォーター氏は5回にわたり有罪評決の破棄を求め、出所後も諦めなかった。そして22日、ついにニューヨーク州の裁判所の判事がレイプや関連訴因での有罪を取り消した。

有罪取り消しの申し立てには同州オノンダガ郡の連邦地検も加わった。

レイプ事件はシーボルド氏がシラキュース大学1年生だった81年に発生。事件を詳細に記した回想録は、ブロードウォーター氏が出所した翌年の99年に出版された。

シーボルド氏は事件の5カ月近く後、シラキュース市内の通りでブロードウォーター氏の姿を目撃し、レイプ犯を想起したことから警察に通報した。しかし後に行われた警察の面通しでは、ブロードウォーター氏を特定することができなかった。

ブロードウォーター氏はシーボルド氏の証言と、後に誤りと判明した毛髪分析に基づき有罪を言い渡された。シーボルド氏は白人、ブロードウォーター氏は黒人であることから、異なる人種間の人定となった。これまでの研究では、目撃証人と対象者の人種が異なる場合、目撃証人が人違いをするリスクが大幅に増えることが判明しているという。

ブロードウォーター氏は判事の決定を聞いて泣き崩れた。同氏は出所後も性犯罪者リストに名前が残り、有罪評決で人生を壊されたと語っていた。

シーボルド氏に関し、ブロードウォーター氏は謝罪を望むと表明。「彼女と彼女の身に起こったことには同情する」「私はただ真摯(しんし)な謝罪がほしいだけ。謝罪があれば受け入れる。彼女に対して恨みや悪意は持っていない」と語っている。

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