「天然痘」と記載の瓶、中身は天然痘ウイルスではなくワクシニアウイルス 米

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「天然痘」と記載の瓶の中身は天然痘ウイルスの近縁のワクシニアウイルスと判明/BSIP/Universal Images/Getty Images

「天然痘」と記載の瓶の中身は天然痘ウイルスの近縁のワクシニアウイルスと判明/BSIP/Universal Images/Getty Images

(CNN) 米ペンシルベニア州のワクチン研究施設で「天然痘」と記載された瓶が複数見つかった件で、米疾病対策センター(CDC)は18日、中身は天然痘を引き起こす天然痘ウイルスではなく、天然痘ワクチンの作成に用いられるワクシニアウイルスと判明したと報告した。

CDCは16日、「天然痘」との記載がある瓶が数個見つかったことを確認していた。

検査の結果、中身は天然痘ウイルス(バリオラウイルス)と近縁のワクシニアウイルスであることが判明した。ワクシニアウイルスは天然痘ワクチンの作成に使われ、「ワクチン」の語源となっている。

CDCは声明で「天然痘の原因となるバリオラウイルスが瓶に含まれている証拠はない」と説明。州や地元保健当局、法執行機関、世界保健機関(WHO)と緊密に連携しているとも述べた。

CDCの声明によると、米政府に通知があったのは今月15日。ペンシルベニア州にあるウイルス研究施設で従業員が冷凍庫を清掃中、無傷の状態で冷凍された瓶を少数発見したとの報告を受けた。

施設は直ちに安全が確保され、職員はCDCへの通知に関する標準的な手続きにのっとって対応した。当該の瓶は18日、中身を確定する検査を行うため、安全な形でCDCに送付された。瓶の中身にさらされた人はいないという。

かつて天然痘は感染者の3分の1が死に至る病気だったが、世界的なワクチン接種運動を経て、1980年に根絶が宣言された。現在は自然界には存在せず、少数の実験用サンプルが保管されるのみとなっている。米国での定期予防接種は70年代に中止された。

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