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トランプ氏の24年再出馬は「99~100%」、側近の発言の狙いは

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トランプ氏に近い人物らによると、同氏の24年大統領選への出馬はほぼ確実だという

トランプ氏に近い人物らによると、同氏の24年大統領選への出馬はほぼ確実だという

(CNN) 2024年米大統領選はまだ1155日も先だが、トランプ前大統領の側近の1人によると、前大統領の再出馬はほぼ確実だという。

側近のジェイソン・ミラー氏は今月、米ニュースメディア「チェダー」からトランプ氏再出馬の可能性について聞かれ、「99~100%だろう」と説明。「24年に出馬するのは確実だと思う」との見方を示した。

共和党のジム・ジョーダン下院議員も先週アイオワ州を訪問した際、トランプ氏について「立候補すると思う」「出馬してほしい。彼はプレッシャーに耐えられることを証明済みだ」と述べた。

トランプ氏自身はそれほど決定的な言い方はしていないものの、出馬に傾いていることは非常に明確にしてきた。

米政治専門サイトのポリティコは5月、「前大統領に近い情報筋2人によると、トランプ氏は協力者に対し、まだ健康であればという条件付きで24年に再出馬する意向を明かした。共和党はトランプ氏が下野している間にイメージ一新を試み、また同氏が焦点となる1月の米議会議事堂襲撃への調査を阻止しているものの、トランプ氏の存在がこれから影を落としそうだ」と報じている。

トランプ氏は同月に行った保守系評論家キャンディス・オーウェンズ氏とのインタビューでも、将来の計画をほとんど隠していなかった。まだ時期が早いと前置きしつつ、「ただし私がある発表をすれば、人々は大喜びすると思う」と述べた。

ここで指摘しておくべきなのは、再出馬を検討するだけでなく実際に動き始めていると主張することがトランプ氏自身(そしてミラー氏やジョーダン氏)の利益になるという点だ。

トランプ氏やその周辺は可能な限り政治力を維持したい考えで、そのために最も簡単な方法は、トランプ氏が24年大統領選の有力候補だというシグナルを送ることになる。

こうした立ち位置を取ることで、トランプ氏は共和党の権力の中心に居続け、全ての候補に「マール・ア・ラーゴ詣で」を強制することが可能になる(マール・ア・ラーゴはフロリダ州にあるトランプ氏の別荘)。また24年大統領選の顔ぶれを固定化させ、トランプ氏以外の候補による売り込みを難しくする効果もある。

そのため、ポンペオ前国務長官やコットン上院議員がアイオワ州に行く際には、トランプ氏再出馬の可能性に言及することが必須となる。そうしなければ党の支持基盤から前大統領への忠誠心が不十分と見なされるリスクがあるからだ。

ただ、こうした目的を達成するために、ミラー氏やジョンソン氏がトランプ氏の24年再出馬に関してこれほど断定的な言い方をする理由はない。

ミラー氏が出馬の可能性は「半々」だと述べたところで、いずれにせよ、トランプ氏が自身の意向を固めるまでは大統領選情勢は実質的に固定化されたままだろう。

トランプ氏の出馬が「確実」あるいは「彼は出馬する」という言い方をするのは、少なくとも筆者の見方では、ミラー、ジョンソン両氏がトランプ氏本人から出馬の計画を伝えられたことを示唆している。(上に引用したどちらのインタビューでも、ミラー、ジョンソン両氏はこのところ定期的にトランプ氏と話をしていることを明確にしていた)

そうはいってもトランプ氏のことなので、再出馬の可能性が高いと顧問に伝えたという情報については、少なくとも一定の懐疑的な受け止め方をする必要がある。トランプ氏は実質的な理由も説明もなくコロコロと考えを変えることが多い。

だが、少なくとも今日の時点では、トランプ氏は再び出馬する考えのようだ。そうなれば、トランプ氏が24年大統領選の共和党候補になるのはほぼ確実だろう。

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