ワクチン主導の米FDA幹部2人、突然の辞任 ブースター接種承認の判断控え

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米FDAが、新型コロナワクチンの審査にかかわっていた幹部2人の辞任を発表した/Sarah Silbiger/Getty Images

米FDAが、新型コロナワクチンの審査にかかわっていた幹部2人の辞任を発表した/Sarah Silbiger/Getty Images

(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は8月31日、新型コロナウイルスのワクチン審査にかかわっていた幹部2人の辞任を発表した。FDAは、年少の子どもへの接種やブースター接種の承認に向けた手続きを進めている最中だった。

FDAが局内メールを通じて行った発表によると、辞任するのは生物製剤評価・研究センター(CBER)のワクチン研究・審査局長マリオン・グルーバー博士と、副局長のフィリップ・クラウス博士。CNNはFDAからこのメールを入手した。

メールの中でCBERセンター長のピーター・マークス博士は、グルーバー局長が10月31日に、クラウス副局長は11月に退任すると発表。新型コロナワクチンの許可・承認に向けた取り組みを通じてグルーバー氏が指導力を発揮したことに感謝すると述べ、クラウス氏については「世界中の公衆衛生関係者と連絡を取り合って、ワクチンに関する重要な問題に対処するために中心的な役割を果たした」と評価した。

ワクチン研究・審査局長については直ちに後任探しに着手し、マークス氏が局長代行を務めるとした。

グルーバー、クラウス両氏の辞任理由について、このメールでは言及していない。しかし両氏の辞任がFDAの業務に影響を与えるかどうかをめぐって疑問が噴出している。

ホワイトハウスで新型コロナ対策チームの調整官を務めるジェフ・ザイエンツ氏は31日の記者会見で、両氏の辞任がFDAのプロセスに対する信頼度に影響を及ぼすことを懸念しているかどうか質問されたが、直接的には答えなかった。

FDAは、まだジョー・バイデン大統領が長官を指名しておらず、現在はジャネット・ウッドコック氏が長官代行を務める。

FDAは数カ月以内に、追加の新型コロナワクチン承認と、12歳未満の子どもに対するワクチン接種の承認について判断を予定している。

さらに、米保健当局者は最近、ファイザーとモデルナのワクチンを2回接種した人を対象として、3回目のブースター接種を9月20日の週から開始すると発表した。

ただしこの計画については、まずFDAと疾病対策センター(CDC)が承認する必要がある。

状況に詳しい関係者はCNNに対し、FDAの内部にはワクチンに関する不満があったと打ち明けた。

この関係者によれば、問題の一つは、CDCとその諮問委員会が、ワクチンに関してFDAの領域に割り込んできたことだった。

しかし最大の問題は、ブースター接種の目標を設定することで、ホワイトハウスが科学よりも先行し、「FDAが言うべきことについて早まった判断をしている」ことにあるようだ。

この関係者は、FDAが最終的にはブースター接種の必要性に関して正しい判断を下すことを「確信している」と言い添えた。

突然の幹部辞任にFDA職員は不意を突かれた様子だった。

バイデン大統領の側近はブースター接種開始の計画について、全面的にFDAとCDCの判断に基づくと強調している。しかし全てのデータが徹底検証される前に、バイデン政権が早まった判断を公にしているとの懸念がある。特定の日付に結び付けた8月中旬の発表は、複数の政府保健当局者を困惑させた。

これに対してザイエンツ氏は、バイデン政権の決定にはウッドコック長官代行らがかかわったと強調している。

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