米上院、超党派のインフラ法案を可決 130兆円規模

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インフラ投資法案の審議開始にあたり記者会見する議員団=7月28日、米首都ワシントン/J. Scott Applewhite/AP

インフラ投資法案の審議開始にあたり記者会見する議員団=7月28日、米首都ワシントン/J. Scott Applewhite/AP

(CNN) 米上院(定数100)で10日、老朽化が進む国内インフラの整備に1.2兆ドル(約130兆円)を投資する超党派の法案が採決にかけられ、賛成69、反対30の賛成多数で可決された。

法案は今後、下院で可決されれば、バイデン大統領の署名を経て成立する見通し。ただし、休会中の下院での採決がいつになるかは確定していない。

上院の採決では野党・共和党からも19人が賛成票を投じた。反対していた共和党議員の1人、マイク・ラウンズ議員はこの日、妻のがん治療に付き添うために欠席した。

法案は、連邦予算から今後5年間で新規に5500億ドルを支出する内容。1100億ドルを道路や橋、660億ドルを旅客および貨物鉄道、650億ドルを電力供給網、同じく650億ドルを高速インターネット網、390億ドルを公共交通機関、75億ドルを電気自動車用充電設備の整備にそれぞれ投資する。鉛製水道管の交換など、水道施設の刷新にも550億ドルを充てる。

法案の支持者らによると、大規模な投資による経済成長や雇用創出の効果も期待できる。ホワイトハウスによれば、連邦政府による公共交通機関や上下水道、クリーンエネルギーの送電と電気自動車用インフラへの投資としては史上最大規模。災害や気候変動への対策強化、高速ネットサービスの農村部や低所得層への拡大も図る。

老朽化するインフラの再建は長年、民主、共和両党が支持する優先課題と位置付けられてきたが、超党派の合意には至っていなかった。上院では数カ月前から両党の議員グループとバイデン政権が調整を続けていた。

バイデン氏は10日、ホワイトハウスでハリス副大統領とともに法案の可決を歓迎し、共和党議員らの支持に感謝するとコメント。議員らに直接、電話で謝意を伝えたことを明らかにした。

インフラ法案が増税につながることはないとされるが、議会予算局は先週、今年から2031年までの間に財政赤字が2560億ドル上積みされるとの推計を示した。

与党・民主党は同法案と並行して、さらに3.5兆ドル規模に上る社会福祉投資法案の成立も目指してきた。民主党のペロシ下院議長はインフラ法案について、社会福祉投資法案が上院を通過するまで審議しない構えを示してきたが、共和党や民主党内穏健派はこの姿勢を批判している。

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