米共和党上院トップ、下院議員の陰謀論を叱責 「党のがん」

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マージョリー・テイラー・グリーン下院議員(左)とマコネル院内総務/AFP via Getty Images

マージョリー・テイラー・グリーン下院議員(左)とマコネル院内総務/AFP via Getty Images

(CNN) 米上院共和党のトップ、ミッチ・マコネル院内総務は1日、声明を発表し、言動が物議を醸している同党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州選出)を暗に叱責(しっせき)した。同議員の主張する「過激なうそや陰謀論」は共和党にとっての「がん」だとの認識を示した。

グリーン議員は、昨年行われた米大統領選の選挙人投票の集計に最も強く反対した議員の一人。連邦議会議事堂の乱入事件後もその立場は変わらず、すでにバイデン大統領の弾劾(だんがい)を目指していることで知られる。これは議事堂乱入を煽動したとしてトランプ前大統領が弾劾訴追を受けたことへのある種の対抗措置とみられる。

マコネル氏は声明の中で「過激なうそと陰謀論は共和党と我が国にとってのがんである」「米同時多発テロでペンタゴンに航空機は突っ込まなかったとか、学校での恐ろしい銃乱射事件はあらかじめ仕組まれていたとか、クリントン夫妻がジョン・F・ケネディ元大統領の息子の乗った飛行機を撃墜したとかいう内容を示唆する人は、現実の世界を生きていない。こういった話は米国の家族が直面する難題と何の関係もなく、中身のある堅実な議論の対象でもない。そうした議論こそが我が党を強固にできる」と主張した。

直接名指しはしなかったものの、マコネル氏の声明は昨年の選挙で当選を果たした新人議員のグリーン氏に対する厳しい叱責ととらえられている。声明は政治専門紙「ザ・ヒル」が最初に報じた。

グリーン氏はすかさずツイッターで反撃し、「共和党にとっての本当のがんは、潔く負けることしか能のない弱腰の共和党議員たちだ。このために我々は自分たちの国を失いつつある」との見解を示した。

CNNによる先週の報道以降、グリーン氏は批判にさらされている。報道では同氏が2018年と19年に、民主党の有力政治家の処刑への支持を示唆する投稿をSNS上で繰り返していたことが明らかになった。また19年に銃乱射事件の生存者に対し、誤った根拠のない主張を通じて銃の所有権について質問する動画も拡散した。

同氏はこのほかにも、過去のコメントで反イスラム教的、反ユダヤ的な比喩を用いた扇動的な言説を繰り返している。根拠がなく完全にうそと暴かれた「QAnon(キューアノン)」と呼ばれる集団の陰謀論を持ち出したケースもある。

こうした過去のコメントは、今後グリーン氏にとって重大な結果をもたらすかもしれない。民主党の下院議員らは現在、新たに任命された下院の委員会から直ちに同氏を除名する方向で動いている。

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