トランプ米大統領の支持率34%、就任以来最低 CNN世論調査
(CNN) 任期切れが迫った米国のトランプ大統領の支持率が、CNNの最新世論調査で就任以来最も低くなった。トランプ大統領の解任を支持する国民はかつてなく増えている。
それによると、20日の任期切れを待たずにトランプ大統領を解任すべきだとする回答は54%と半数を超えた。きっかけは、トランプ大統領に扇動された支持者らが連邦議会議事堂に乱入した今月6日の事件だった。
政党別に見ると、民主党員はほぼ全員(93%)が任期満了前のトランプ大統領解任を支持しているのに対し、共和党員の解任支持は10%にとどまった。
今回の世論調査は、米下院がトランプ大統領の2回目の弾劾訴追を決議したタイミングで実施された。決議前と決議後でトランプ大統領の支持率に大きな差はなかった。
トランプ大統領の支持率は34%に落ち込み、昨年の大統領選挙前の42%から下落。CNN調査で最低だった時の支持率をさらに1ポイント下回った。ただし共和党員に限ると10月調査より14ポイント下がったものの、支持率80%を保っている。一方、民主党員の支持率は選挙前が3%、今回は2%だった。
6日の連邦議会乱入事件については、36%が「米国の民主主義の危機」と位置づけ、39%は「大きな問題」と位置づけた。この事態を危機と認識する民主党員は54%に上ったのに対し、共和党員は20%にとどまった。
暴動の根拠とされた大統領選をめぐる陰謀説については、「バイデン氏は大統領選で正当に勝利した」とする回答が65%を占めた一方、陰謀説は真実であり、それを裏付ける「確固たる証拠がある」と答えた人も23%に上り、特に共和党員では58%を占めた。
連邦議会乱入事件については55%が「トランプ大統領に大きな責任がある」と回答した。ただし政党による意見の違いは大きく、トランプ大統領に大きな責任があると答えたのは民主党員が92%だったのに対し、共和党員は13%のみだった。
トランプ大統領の就任以来の実績を振り返ると、55%は成功と言うよりは失敗だったと答え、「成功だった」の41%を上回った。「トランプ大統領が米国を変えた」という回答はこれまでで最高の85%に上り、「悪い方に変えた」という回答が初めて過半数の55%に達した。民主党員は82%、共和党員は24%が、悪い方に変えたという認識だった。
退任直前のトランプ大統領の支持率は、2017年に退任したオバマ前大統領の60%を大幅に下回り、ギャラップが1940年代から始めた歴代大統領の支持率調査でも最悪級だった。この期間の大統領12人のうち、退任時の支持率が40%を切ったのは5人。ジミー・カーター氏とトランプ氏がそれぞれ34%、ハリー・トルーマン氏32%、ジョージ・W・ブッシュ氏31%、リチャード・ニクソン氏は24%だった。
トランプ氏の実績については、53%が経済政策を評価すると答え、唯一、過半数に達した。一方で、人種問題への対応を評価するという回答は34%、新型コロナウイルス対応を評価するは36%にとどまり、2016年の大統領選で重大な公約として掲げた移民政策についても、36%の評価にとどまった。
トランプ氏個人に対する好感度は最悪級に落ち込み、好感を持つという回答は33%のみ。64%が好感を持てないと答えている。
今回のCNN世論調査はSSRSが今月9日~14日にかけ、全米で無作為に抽出した成人1003人を対象に、固定電話または携帯電話経由で実施した。誤差の範囲はプラスマイナス3.7ポイント。