米国土安全保障省のウルフ長官代行が辞任
(CNN) 米国土安全保障省のウルフ長官代行が辞任したことがわかった。ウルフ氏が11日に国土安全保障省に送った通知をCNNが入手した。
米連邦緊急事態管理庁(FEMA)のゲイナー長官が新しい長官代行となり任務を引き継ぐ。連邦議会議事堂への襲撃を受け、大統領就任式が近づくなか、暴力の可能性に備えて国の安全機構は準備を進めている。
ウルフ氏は、政権の最後まで職を全うするつもりだったとし、辞任について残念だと述べた。辞任の理由としては、長官代行の権限の正当性をめぐる訴訟をあげるなどした。通知の中では、議事堂への襲撃については触れられていない。
ウルフ氏は1年2カ月にわたって長官代行の職を務めた。任期中は、トランプ政権の進める移民政策に対する訴訟が繰り返された。
トランプ政権ではここ数日、閣僚が辞任を表明しており、ウルフ氏は最新の事例となった。これまでに、デボス教育長官とチャオ運輸長官が辞任している。
民主党議員からは「国難の最中に辞任を選んだ」「他の人とは異なり、信念から職を離れたようには見えない」との指摘があった。
辞任を表明する前、ウルフ氏はシークレットサービス(大統領警護隊)に対して、先週発生した出来事や就任式に向けての治安状況の変化を受けて、特別な警備態勢を今月19日からではなく13日から開始するよう指示を出していた。
トランプ大統領は昨年8月、会計検査院(GAO)からウルフ氏の長官代行への任命が無効だとの指摘を受けた後、同氏を国土安全保障長官として正式に指名する方針を発表。秋には上院委員会も指名承認に向けて動き出したが本会議の採決まで至らず、代行の地位にとどまっていた。今月7日にはホワイトハウスがウルフ氏の正式指名を撤回していたことがわかり、同氏の法的地位について国土安全保障省関係者の間に懸念が広がっていた。