国際危機グループ、米大統領選に「不慣れな危険」の警告

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国際シンクタンク「国際危機グループ」が3日の米大統領選挙に異例の警告を発した/Mario Tama/Getty Images

国際シンクタンク「国際危機グループ」が3日の米大統領選挙に異例の警告を発した/Mario Tama/Getty Images

(CNN) 世界の紛争に関する分析や提言を行っている国際シンクタンク「国際危機グループ」が3日の米大統領選挙を間近に控え、異例の警告を発した。

30ページの報告書では、激しく分断された米国が数日中に「不慣れな危険」に直面すると予想。「米国民は、4年に1度の選挙戦の中である程度の怨恨(えんこん)には慣れていた。だが生きて記憶している限りにおいて、現職が結果を拒絶したり、武力暴力が起きたりし得る現実的な展望に直面したことはなかった」と分析している。

大統領選挙の投票日に前後して暴力が発生し得る複数の要因としては、インターネットで拡散する偽情報や憎悪発言、人種的平等にまつわる論争、武装集団の台頭、大統領選で予想される接戦や異議申し立てを挙げた。

さらに、そうした暴力が発生し得る責任はトランプ大統領にあると述べ、「(トランプ大統領の)個人的な利益追求のために衝突を呼び起こそうとする有害発言や意欲は、現代の米国史の中で前例がない」とした。

選挙演説の中でトランプ大統領は、全ての暴力を拒絶すると述べる一方で、極右勢力による暴力を強く糾弾・非難することは避け、政敵と見なす相手に対して扇動的な発言を行っている。このためトランプ大統領が全力で暴力を鎮めようとする意図があるのかどうか疑問視する声もある。

国際危機グループは、トランプ大統領が選挙監視員の「軍団」を求めたことについても選挙関連の暴力を引き起こしかねない要因として挙げ、「トランプ氏が軍事関連の文言を使ったことは、支持者に対して民主党の投票抑止を狙った脅迫的な姿勢を取ってほしいとのシグナルを送ったことになるだろう」と予想する。

また、トランプ大統領が郵便投票に対する信頼を失墜させようとしていることについても、選挙結果が長引いたり争われたりした場合に暴力を発生させ得る要因と位置付けた。

各地の警察は、選挙関連の暴力が起こる事態を予測して準備を進めている。

ロサンゼルス市警は、殺傷力の少ない武器の行使を含めた群衆管理の特別訓練を実施してきた。あるベテラン警官は「こんな事態は見たことがない」と打ち明け、「我々はこの街を守り、自分たちが負傷しないためにも準備に全力を挙げる」と話す。

ニューヨーク市警も投票に関連した問題が起きた場合に対応できるよう、市全域で警官数百人を追加的に配備した。

市内の商店などは、マンハッタンにある有名百貨店のメーシーズを含め、暴動の発生を見越して窓を板でふさいでいる。

CNNが各地の警察に取材したところ、多くが選挙関連の争乱に備えた準備を進め、投票日前後に休暇を取る警官を減らし、問題発生の監視に当たる指令センター設置を予定していた。

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