「中国のスパイ」を雇用か、報道めぐりトランプ氏と民主党議員が応酬
ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領と民主党のダイアン・ファインスタイン上院議員が「中国人スパイ」をめぐる報道を受けて激しい応酬を繰り広げている。ファインスタイン氏のスタッフの1人が中国のスパイとのつながりを持っていたとする疑惑に対し、トランプ氏が厳しい口調で非難した形だが、その内容には事実と異なる部分もあるようだ。
トランプ大統領は4日夜、オハイオ州での集会でファインスタイン議員が「中国人スパイを運転手として20年雇っていた」と発言。ファインスタイン氏には好感を持っているとしつつ「気に入らないのは、彼女が中国人のスパイを運転手に雇っておきながらそのことを知らなかったという事実だ」と述べた。
トランプ氏はまた、ツイッターへの投稿で、ファインスタイン氏が2016年大統領選の「ロシア介入疑惑の捜査を率いる人物」とも指摘し、「これからは自分自身を捜査するのだろうか?」と皮肉った。
ただこのツイートの内容は誤りだ。ファインスタイン氏は上院司法委員会並びに上院情報委員会のメンバーではあるものの、ロシアによる介入やトランプ陣営との共謀といった疑惑の捜査は、元FBI(米連邦捜査局)長官のマラー特別検察官が主導している。
ファインスタイン氏はツイッターでトランプ氏に反論。5年前、中国が自身のスタッフの1人を味方に引き入れようとしている恐れがあるとFBIから知らされ、事実関係を確認したうえで直ちに当該のスタッフを辞めさせる措置をとったと説明した。このスタッフが機密情報などにアクセスする機会はなかったとし、トランプ氏に対して「自らの疑惑への対応と比べてほしい。FBIを攻撃し、国家安全保障チームの助言にも耳を貸さないのはあまりに情けない」と苦言を呈した。
今回の疑惑は政治専門メディアのポリティコが先月末に報じていた。その内容は、中国の諜報機関がファインスタイン氏のカリフォルニア州のオフィスに勤務するスタッフ1人を情報源とし、現地の政治状況などを入手していたというものだった。
その後サンフランシスコ・クロニクル紙が当該のスタッフについて、ファインスタイン氏の運転手を務めていたと報道。中国人スパイとのつながりが明らかになったのを受けて2~3年前に解雇されたと伝えた。
(1/2) The FBI told me 5 years ago it had concerns that China was seeking to recruit an administrative member of my Calif staff (despite no access to sensitive information). I took those concerns seriously, learned the facts and made sure the employee left my office immediately. pic.twitter.com/qpVyPanpJk
— Sen Dianne Feinstein (@SenFeinstein) 2018年8月4日