クリントン氏、メール使用で「規則違反」 米国務省が報告書
一方、報告書では、「長官が私用サーバー上にある私用メールを通じて公務を行うことについて、許可を求めたり助言を受けたり許可されたりした証拠は見つからなかった」とした。
報告書の公表を受けてクリントン陣営広報のブライアン・ファロン氏は談話を発表し、「政治的に敵対する勢力が、自分たちの党のためにこの報告書の内容を歪曲(わいきょく)して伝えようとしている。だが実際に監察官が記しているのは、同氏のメール使用慣行が、やはり私用メールを使っていた歴代長官や幹部と一致していたということだ」と反論した。
確かに歴代長官も私用メールを使っていたことは報告書でも確認している。ただ、私用メールアカウントから送信した業務関連メール保存の規則は、クリントン氏が国務長官に就任した2009年に改訂されたとも指摘。同規則では、「職員が省によって運営されていないシステムを使って公的な電子メールを送受信することを認める場合、そうしたシステムで送受信された記録は省の適切な記録保持システムに保存しなければならない」と定めている。
ファロン氏は25日、CNNの取材に対し、「クリントン氏が就任した時点でも在職中も、私用メールの職務利用は禁止されていなかった」と強調。監察室の聴き取りに応じなかったのは、司法省による調査の方を優先していたためだと主張。「監察室の内部に反クリントン的先入観があったことをうかがわせる報道もある」と述べた。
同省の監察官はオバマ政権によって任命された。
国務省のトナー報道官は25日の記者会見で、「必ずしも奨励はされないが、私用メールの利用は禁止事項ではない。唯一の条件は、規則に従って記録を保持しなければならないということだ」と語った。