「トランプ氏は労働者の不安を利用」 オバマ大統領が批判
ホノルル(CNN) オバマ米大統領は21日放送のラジオ・インタビューで、野党・共和党の指名獲得を目指す実業家ドナルド・トランプ氏を「労働者たちの経済的不安につけ込んだ選挙戦を展開している」と批判した。
トランプ氏が米カリフォルニア州での銃乱射事件を受け、イスラム教徒の入国を禁止すべきだと発言してから、オバマ大統領が同氏に対する考えを明確に述べたのは初めて。
米公共ラジオNPRとのインタビューは、大統領が休暇を過ごすハワイへ出発する前に収録された。
大統領はこの中で、「ブルーカラーの労働者たちは近年の経済情勢の中で多大な苦労を強いられている。かつて工場に通い、自分1人の稼ぎで家族の生活を支えられた時代とは事情が違う」と指摘。「そこには怒りや不満、不安が生まれる余地がある。正当であったり見当違いであったりするが、トランプ氏のような人物はこれらを選挙運動に利用しているのだと思う」と述べた。
オバマ大統領はまた、共和党内の一部には自身がアフリカ系米国人であることに対する抵抗感があり、これが激しい批判につながっているとの見方を示した。そのうえで「私の存在はある意味、彼らが恐れる変化を象徴しているのかもしれない」と語った。