エルサレム生まれの米国人に「イスラエル出身」の記載認めず

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米最高裁はパスポートの出身地記載で、議会より政府の意向を優先する判決を下した

米最高裁はパスポートの出身地記載で、議会より政府の意向を優先する判決を下した

(CNN) 米国のパスポートの出身地記載をめぐって行政権と立法権のどちらが優先されるかが争われた裁判で、米最高裁は9日までに、「エルサレムで生まれた米国人が、出生地をイスラエルと記載することはできない」とする多数判決を言い渡した。

争点となったのはエルサレムで生まれた少年のパスポートだった。両親は連邦法に従って、パスポートに記載する出生地を「イスラエル」としたい意向だったが、米国務省はこの記載を認めなかった。

米国の政策では60年前から、「エルサレムに対してはいかなる国家も領有権を持たない」と規定している。

これに対して米議会では2002年に外交関係の承認に関する法案が通過。当時のブッシュ大統領は同法案に署名して成立させたものの、今回の裁判で争われたイスラエルによるエルサレムの領有を認める条項については反対すると表明していた。

今回の判決は、9人の裁判官のうち6人の賛成で言い渡された。アントニー・ケネディ裁判官は多数意見の中で、外国国家を承認する権限は大統領にあると指摘。問題の法律について、エルサレムに関する承認を保留するという行政の一貫した判断を侵害するものと認定した。

これに対し反対の立場をとった3人の裁判官の1人は「今回の問題はエルサレムをめぐる領有権の承認とは関係がなく、あくまでも同市で生まれた米国民に対し、パスポートなどの書類を作成する上で出生地をイスラエルと明示する選択肢を与えるかどうかということにすぎない」との見解を示した。

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