米政府、シリアは「一線を越えた」 化学兵器使用と断定
シリア政府はこれまで、化学兵器を使用したのは反体制派だとの立場を崩していない。しかしローズ氏の声明では、「シリア反体制派が化学兵器を入手あるいは使用したことを示す有力な情報はない」と一蹴した。
アサド政権が化学兵器を使用した回数には声明では触れていない。しかしこの問題について説明を受けたある議員によると、米政府はシリアが少なくとも8回にわたって化学兵器を使ったとみているという。
米国の反体制派に対する支援はこれまで、通信機器や医療、食料援助などに限られてきた。
しかし反体制派には国際テロ組織アルカイダ系の集団も加わっているとみられることから、米政府が軍事支援に踏み切るとなれば、事態の複雑化は避けられない。
シリアでの化学兵器使用を巡っては、先にフランス外相が、サリンが使用されたことを確認したと発表。一方、国連の独立調査団は5月に、シリアの反体制派によってサリンが使用された痕跡があると述べていたが、後に「シリアでの化学兵器使用について確固とした結論は出ていない」とするプレスリリースを発表している。