ロベルト・バルティーニ、世界で最も謎めいた航空機設計者(下)

唯一残るVVA14の試作機。現在はロシアの中央空軍博物館に置かれている/Alamy
写真特集:実用には至らず、旧ソ連VVA14の試作機 

唯一残るVVA14の試作機。現在はロシアの中央空軍博物館に置かれている/Alamy

(CNN) バルティーニがスターリ6の次に開発を手掛けたのは、双発エンジンの旅客機「スターリ7」だった。

「(スターリ6と同じく)この機体もステンレス鋼で作られていて、非常に異色だった」「バルティーニは鋼板を溶接する新技術の特許を取得していた」。スロベニア・マリボル大学のセルゲイ・テザク教授はそう説明する。

スターリ7は空力性能が高く、高速での燃料消費量を低減するような形状に設計されていた。しかし1938年、事故で唯一の試作機が破損すると、批判の矛先はバルティーニに向けられた。「彼はムッソリーニの工作員と見なされたために逮捕され、スターリンによって投獄された」(テザク氏)

その1年後、修理を経たスターリ7は秘密裏に試験飛行を行い、約5000キロを平均時速約400キロでノンストップ飛行して2つの世界記録を塗り替えた。

「公式の式典が開催され、スターリンが設計者は誰だと聞くと、刑務所にいるという答えが返ってきた。スターリンは即座に、バルティーニに新型機を開発させるように命じた。おそらくこれでバルティーニは命拾いしたとみられる」とテザク氏は語る。

バルティーニの刑期は短縮され、「シャラシュカ」に移送された。シャラシュカとは、40~50年代にソ連の刑務所に設けられた秘密研究開発施設の非公式名称で、そこでは刑務所本体よりも大幅に良い生活条件が与えられていた。

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