赤く染まったNZの氷河、原因はオーストラリアの森林火災
(CNN) オーストラリア全土で発生している森林火災の影響で、海を挟んだ隣国ニュージーランドの氷河が赤やピンクに染まっている。
旅行写真家のリズ・カールソンさんは11月28日、ニュージーランド南島のアスパイアリング山国立公園付近をヘリコプターで飛行して、赤く染まった氷河の写真を撮影した。
同公園のキッチナー氷河周辺は特に影響が大きかったといい、「ショッキングだった。こんな状況はこれまで見たことがなかった」とカールソンさんは話す。「夏の終わりごろには氷河が汚れて見え、雪が解けて灰色になったり黒い岩が見えることもある。しかし春真っ盛りでこの状態は本当に奇異だった」
/Liz Carlson
オーストラリアは記録的な森林火災に見舞われている。ニューサウスウェールズ州消防局によると、5日現在、117件以上の森林火災や草原火災が発生しており、60件以上はまだ鎮圧できていない。
CNNの気象専門家によると、オーストラリアの火災で発生した煙は偏西風に乗ってニュージーランドに吹き付け、煙の中の重い粒子が落下して、雪が赤く染まる現象が起きているという。
氷河を覆った物質の正体は、実際に調査するまで分からないとしている。
/Liz Carlson
4日に撮影された衛星写真には、ニューサウスウェールズ州東部の火災で発生した煙がタスマニア海を横断してニュージーランド北島に到達する様子が写っていた。ニューサウスウェールズ州とアスパイアリング山は1600キロ以上離れている。
ニュージーランドでは、オーストラリアの火災による煙や粉塵のために、空が赤やオレンジに染まる現象も観測された。
「(氷河は)ただでさえ急速に解けているのに、赤い塵に覆われたことで太陽光を反射できなくなり、溶解が加速するだろう」とカールソンさんは危惧している。