727型旅客機、姿消す 最終便はイラン国内線

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AFP/Getty Images

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(CNN) T字形の尾翼とエンジン3つが機体後尾に全て配置された特色ある設計で航空ファンに愛されていた米ボーイング社の727型旅客機がこのほど最後の就航を終えた。同機の登場は1962年だった。

38年前に製造された727ー200型機による最後のフライトは、イランのアセマン航空の国内線だった。

短中距離用の727型機は、より大型の707型旅客機が発着出来ないような短い滑走路を持つ小規模空港がある小都市を想定して開発。

ボーイング社の公式サイトによると、当初の製造機数の目標は250機だった。しかし、需要が目覚ましく伸び、最終的には1832機となっていた。1000機を超える初の旅客機だったという。

ただ、騒音や燃費効率などが敬遠材料となり製造は1980年代半ばに中止。主要航空会社は90年代から就航を減らしていた。

旅客機としての使命は終えたものの、貨物機、要人の専用機や調査用航空機としては約60機が依然使用されている。

旅客機としての使命は終えたが、貨物機としてや海面の油膜除去の作戦用での利用など他の目的では運用が続く/Thom Patterson/CNN
旅客機としての使命は終えたが、貨物機としてや海面の油膜除去の作戦用での利用など他の目的では運用が続く/Thom Patterson/CNN

727型機は犯罪の舞台になったこともある。米国北西部で1971年、男が同機をハイジャックし、奪った現金20万ドルを体に巻き付け、パラシュートで地上に降りる事件が起きていた。

米国で最も有名な航空犯罪の1つとなっていたが、未解決のまま米連邦捜査局(FBI)が2016年、捜査を打ち切っていた。パラシュート降下を許していたのも同機独特の設計だった機内後部に設けられた階段があるためだった。

ボーイング社は事件を受け、この階段を取り外してもいた。トランプ米大統領もプライベートジェット機として727型機を使っていた時代がある。2009年にボーイング社製の757型機に変更していた。

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