ローマ、観光客の不品行に罰則強化 深夜の路上飲酒など禁止
(CNN) 伊ローマの市議会はこのほど、市内の観光客の不品行に対する罰則を強化する法案を可決した。深夜の路上での飲酒や集団でのはしご酒、観光名所「トレビの泉」に入る行為などが禁止となり、違反者には罰金が科される。古代ローマの衣装を身に着けた人に金銭を支払って記念撮影をするのも禁じられる。
これらの新たな規定は15日、市のウェブサイトで発表された。それによると、夜10時以降の路上での飲酒が禁止となるほか、バーやクラブでも午前2時から7時まではアルコールの提供を止めることが義務付けられる。
違反者は警察から罰金を徴収されたり、特定の場所への立ち入りを最大で48時間禁じられる可能性がある。違反を繰り返した場合、立ち入り禁止期間は最大60日まで延長されることもある。
また古代ローマの兵士や剣闘士などに仮装して街中に立ち、金銭と引き換えに観光客との記念撮影に収まる行為も禁止の対象となる。違反者への罰金は最大で400ユーロ(約5万1400円)。
市議会は新たな規定について「ローマでの生活における多くの側面に対処するためのものだ。とりわけ市内に残る芸術的、文化的遺産を尊重することを念頭に置いている」と説明した。
ローマでは今年8月、「トレビの泉」の前で「自撮り」の撮影場所をめぐって観光客2人が口論となりけんかに発展。警察が介入する騒ぎとなっていた。またカナダ人観光客2人が違法な「水浴」をしたとして、450ユーロの罰金をそれぞれ科されていた。
増大する観光客の悪質な振る舞いが地元に混乱を引き起こす事態は、ここ数年世界各国でみられるようになっている。