米政府、国境地帯にロボット犬の配備実験 住民は反発

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米・メキシコ国境地帯で行動するロボット犬/Ghost Robotics/AFP/Getty Images

米・メキシコ国境地帯で行動するロボット犬/Ghost Robotics/AFP/Getty Images

しかしパリクCEOは、SFで描かれるロボット犬と、現実のロボット犬の間には大きなギャップがあると反論。「これはバッテリーで動く4本足のコンピューターで、4時間たつと動作しなくなる。これは人が間に入って遠隔操作するロボットだ」と訴える。

それでも国境地帯でロボット犬を使うメリットは大きいとパリク氏は説き、CBPがパトロールする範囲は広大で、過酷な状況にさらされることもあると指摘した。

実験に使われた体重約45キロのロボット犬には、さまざまな種類のカメラやセンサーが装着され、パソコンや携帯端末で操作する担当者にリアルタイムのデータを送信している。

実験はまずバージニア州ロートンのアスファルトや草地、丘陵で行われ、続いて現実に近いテキサス州エルパソの丘陵や岩場を上り下りさせて偵察任務のシミュレーションを行った。さらに、狭い場所や熱波、低酸素状態など、「国境警備員や担当官にとって特に危険な状況」(DHS)での活動も行った。

DHS科学技術プログラムマネジャー、ブレンダ・ロング氏は「南部の国境は人や動物を寄せ付けない場所もある。だからこそマシンが本領を発揮する可能性がある」と言う。

一方、国境地帯の住民は以前から、この地帯が軍事化され、過剰な監視が行われているとして米政府を非難していた。ガウベカ氏は「国境地帯の住民はただでさえ、過剰な監視や過剰な軍事化を感じているのに、彼らはこんな新技術を打ち出してその宣伝を行っている」と批判する。

ゴースト・ロボティクスは過去に米国防総省と組んだこともある。パリクCEOは、CNNの取材を受ける前にウクライナの国防省と電話で話したばかりだと打ち明けた。ただ、米国境のロボット犬は軍事的取り組みの一環ではないと強調している。

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