首から下がまひの男性、「心」使いリアルタイムに文章作成 分速90文字

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小さな2つのセンサーが、手と腕の動きをつかさどる脳の部位からの情報をアルゴリズムに伝え、それが翻訳されてスクリーンに表示される/ F. Willett et al./Nature 2021/Erika Woodrum

小さな2つのセンサーが、手と腕の動きをつかさどる脳の部位からの情報をアルゴリズムに伝え、それが翻訳されてスクリーンに表示される/ F. Willett et al./Nature 2021/Erika Woodrum

研究チームによれば、「T5」との名前だけ知られる男性は、健常者がスマートフォンで文章を作成するのと同程度の速度で文章によるコミュニケーションができるようになった。

男性は今回のシステムを使って1分あたり90文字(18単語)を打つことができた。これは、これまでに行われた脳とコンピューターをインターフェースでつないで文字を打つようなやり方の2倍以上の速度だという。研究チームによれば、健常者が打つことのできる単語は1分あたり約23個。

スタンフォード大学のジェイミー・ヘンダーソン教授(神経外科)は声明で、今回の研究結果は、病気やけがなどで上肢を動かしたりしゃべったりする能力を失った世界の数百万人の人々に新たな希望をもたらすかもしれないと述べた。

被験者が文字や記号を思い描くと、脳に埋め込まれたセンサーが電気的活動を検知し、アルゴリズムが解釈して被験者が想像上のペンで描いた筆致をトレースする/F. Willett et al./Nature 2021
被験者が文字や記号を思い描くと、脳に埋め込まれたセンサーが電気的活動を検知し、アルゴリズムが解釈して被験者が想像上のペンで描いた筆致をトレースする/F. Willett et al./Nature 2021

まひを経験しても、歩いたり、つかんだり、飲んだり、しゃべったりする動きの脳の神経作用は残っている。今回のような研究では、失った能力を取り戻すために、こうした動きを活用することを目指している。

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