中国のサイバー攻撃<2> アジアでの情報収集に軸足

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サイバー攻撃の標的はアジアの周辺国に移りつつある

サイバー攻撃の標的はアジアの周辺国に移りつつある

香港(CNN) 中国のサイバー空間でのスパイ活動は、米国の商業機密を盗むことから、地政学的な緊張をはらむアジアでの情報収集を進める方向に軸足を移しつつある。

前回「中国のサイバー攻撃<1> 知的財産狙い欧米企業狙う」はこちら

例えば、台湾だ。台湾の総統選で民進党の蔡英文(ツァイインウェン)氏が大勝して以来、中台関係は緊張が高まっている。民進党は中国からの独立志向が伝統的に強い。その民進党のウェブサイトが選挙後に攻撃を受け、訪問者に関するデータを収集するための偽のサイトが設置された。

香港に対する攻撃もみられる。香港の民主化を求める雨傘運動が2年前に発生して以来初となった先の立法会(議会)選挙では、独立を求める運動が少数ながら存在感を発揮した。選挙前の時期には、香港の2つの行政組織が新種のマルウエア(悪意のあるソフト)を使ったサイバー攻撃の標的となった。

サイバーセキュリティー会社ファイア・アイによれば、いずれも中国の国家的な支援を受けたハッカーによる攻撃とみられる。

ファイア・アイのアジア太平洋地域最高技術責任者(CTO)を務めるボーランド氏は、こうした攻撃の背後には明らかに政治的な動機があると指摘。「論理的な帰結として唯一考えられるのは、政治的な活動を行っている人々により攻撃が組織されているという点であり、そのため我々は、国家が関与したサイバー攻撃とみている」と述べる。

ただ、中国を起点にするサイバー攻撃のすべてが当局の承認を受けているわけではなさそうだ。

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