大谷の50―50、並外れたシーズンの節目に過ぎず
(CNN) おそらく、ふさわしいことだったのだろう。大リーグ・ドジャースの大谷翔平(30)がこの世のものとは思えない打撃で、球界で最も注目された偉業の一つを達成したことは。
大谷は19日(日本時間20日)、マイアミ・マーリンズとの試合で、自己最多の3本塁打10打点を記録し、同じシーズンで50本塁打と50盗塁を達成した初めての選手となった。実際のところ、大谷はこの試合で51本目の本塁打を打ち、51個目の盗塁を決めている。
ドジャースは同時に、20対4で大勝したこの試合で、今シーズンのポストシーズン進出を決めた。大谷にとってポストシーズン進出は今回が初めて。大谷は6シーズンを過ごしたエンゼルスではいずれもポストシーズン進出を逃していた。
それは、控えめに言っても、大谷の経歴における波乱万丈の数カ月間の最新の節目となった。
永遠への素晴らしい旅路
大谷のドジャース移籍は華々しいものだった。10年で総額7億ドル(約1000億円)の大型契約を結び、北米のスポーツ史上で最も高額の契約と報じられた。この金額は、フリーエージェント(FA)となっていたヤンキースのアーロン・ジャッジが2023年に交わした9年総額3億6000万ドルの契約を大きく上回った。
ただ、大谷は契約額の97%について、10年後の「後払い」としており、現在の年俸は200万ドルとなっている。後払いにしたことで、大谷自身の個人的な税の負担を減らせるとともに、ドジャースにとっても「ぜいたく税」を抑制できるほか、キャッシュフローの負担を軽減できる。
ドジャースはナショナル・リーグの西地区に所属し、過去11シーズンで10度の地区優勝に輝いている。球界でもまれにみる才能の持ち主である大谷を獲得したのは驚きの瞬間であり、大谷がチームをさらなる高みへと引き上げることが期待されている。
多くの人々が、大谷がドジャースでこれほど充実した1年目を過ごすとは予想していなかったことだろう。大谷の普段の水準が高いものだったとしても、特に身体的な状況を考えれば。
大谷は昨年9月に、ひじの手術を受けていた。大谷は25年までは登板できない可能性が高いと伝えられ、紙の上では、二刀流としての大谷の効果は大きく減った。
しかし、大谷は、マウンドから遠ざかっているにもかかわらず、ドジャース1年目で素晴らしいシーズンを送っている。大谷は、ショーン・グリーンが保持していたドジャースの球団最多本塁打を上回った。
大谷の前に50―50に最も近づいた選手はブレーブスのロナルド・アクーニャだ。23年には73盗塁と41本塁打を達成していた。アレックス・ロドリゲスも1998年にマリナーズで42本塁打、46盗塁を記録している。
大谷は8月、大リーグ史上最速で40―40に到達した選手となった。ドジャースの129試合目だった。7月には、ラウル・モンデシーとマット・ケンプに続き、ドジャース3人目の30―30を達成していた。
大谷は、今シーズンはピッチングがなかったとしても、ナショナル・リーグの最優秀選手(MVP)の最有力候補とみられている。MVPを受賞すれば指名打者(DH)の専任選手としては史上初となる。
日本人の観光客も、日本の最大のスターの一人を一目見ようと、ドジャースの地元ロサンゼルスに詰めかけている。
ドジャースは、アジアからの関心の高まりと歩調を合わせて、日本語でのスタジアムツアーを開催しているほか、さまざまな日本食も提供。数十にわたる日本のスポンサー企業を魅了している。