米スリーマイル島原発が再稼働へ、MSに電力販売
ニューヨーク(CNN) 1979年に米国史上最悪の原子力災害を引き起こしたスリーマイル島原子力発電所が稼働を再開し、生成される電力を米マイクロソフトが独占購入する見通しとなった。同社は野心的な人工知能(AI)事業推進に向けたエネルギー源の確保を目指している。
米エネルギー企業、コンステレーション・エナジーは20日、5年前に閉鎖された同原発1号機について、原子力規制委員会の承認が得られれば2028年に再稼働すると発表。二酸化炭素を排出しない1号機からの電力はマイクロソフトが購入し、AIを支えるデータセンターに活用するという。
独占購入となる20年契約はコンステレーション・エナジーにとって過去最大規模とされるが、具体的な金額は明かされていない。
同社のジョー・ドミンゲズ最高経営責任者(CEO)は報道向けの発表で、カーボンフリーで信頼できるエネルギーを常時大量に提供できるのは原発だけだと強調した。
クリーンエネルギーを支持する人々や企業は、原子力エネルギーを信頼できるベースロード電源とみている。風力やソーラーパネルによる発電と異なり、原子力には昼夜を問わず発電可能という大きな強みがある。
しかし原子力に対しては、環境保護団体がその廃棄物を巡って過去数十年間批判の声を上げてきた。米国にはまだ放射性廃棄物を永久保存する施設はなく、そうした物質は70を超える全国の原発に保管されている。
コンステレーション・エナジーによると、1号機の再稼働で3400人の直接・間接雇用が生まれ、800メガワット超の電力が新たに生成されるという。発電所のあるペンシルベニア州の州内総生産は160億ドル(約2兆3000億円)増える見込み。