インド人コメディアンが「2つのインド」の爆弾発言、国家二分する論争に

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インド人コメディアン、「2つのインド」と発言 論争に

(CNN) インドのコメディアン、ヴィール・ダースさんが米首都ワシントンで行った公演で、レイプや農民のデモなどインドが抱えるデリケートな問題に言及し、インドの世論を二分する論議を巻き起こしている。右派はダースさんを逮捕すべきだと主張する一方で、支持表明も相次いだ。

ダースさんが12日にワシントンで披露したパフォーマンスのタイトルは、「私は2つのインドから来ました」。インドを二重人格を持つ国と位置づける内容だった。

この公演の動画は15日にユーチューブに投稿され、その時点で85万回以上再生された。

「私の出身国インドは、日中は女性を崇拝していますが、夜間は集団レイプします」とダースさんは語っている。

「私の出身国インドは、菜食主義者であることを誇りとしていますが、野菜を育てる農民たちを車でひきます」

インドでは先月、物議をかもした農場法に抗議する農家のデモで、数人が閣僚の関係する車にひかれ、少なくとも8人が死亡したと伝えられていた。

「♯VirDas」のハッシュタグはインドでトレンドに浮上、17日午後の時点で6万を超すツイートが投稿されている。

ヒンドゥー国家主義の与党インド人民党の法務顧問は、ダースさんの「扇動的な」発言をめぐって16日、ムンバイの警察に告発状を提出したと述べた。

映画監督のアショク・パンディットさんは、今回の発言を理由にダースさんを即刻逮捕すべきだと主張。テロ関連法の下でダースさんを裁判にかけるべきだとツイートしている。

これに対してダースさんは16日、自分はインドに誇りを持っていると反論。「この動画は、2つの違いが際立つインドの二面性に関する風刺だ」「どんな国にも光と闇があり、善と悪がある。それは秘密でも何でもない」とした。

一方で、野党の政治家やジャーナリスト、活動家などからはダースさんを支持する声が相次いでいる。

野党・国民会議派のカピル・シバル議員は17日、「2つのインドの存在は、誰も疑うことができない。ただ我々は、インド人がそれについて世界に語ることを望んでいないだけだ」「我々は不寛容で偽善的だ」とツイートした。

ここ数カ月の間、インドのコメディアンは、ナレンドラ・モディ政権による言論の自由弾圧がエスカレートしているとして不安を募らせていた。

CNN提携局CNN―News18によると、イスラム教徒のコメディアン、ムナワル・ファルキさんは今年1月、ヒンドゥー教の神に関する「みだらな発言」を理由に逮捕された。2月には最高裁がファルキさんの保釈を認めている。

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