ラグビー代表チーム、先住民の言葉で国歌を斉唱 オーストラリアで初

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オリビア・フォックスさんが試合前に先住民アボリジニの言葉で国歌を斉唱した=5日、オーストラリア・シドニー/Dean Lewis/EPA-EFE/Shutterstock

オリビア・フォックスさんが試合前に先住民アボリジニの言葉で国歌を斉唱した=5日、オーストラリア・シドニー/Dean Lewis/EPA-EFE/Shutterstock

(CNN) ラグビーのオーストラリア代表チーム「ワラビーズ」の選手たちが、このほどシドニーで行われた国際試合で初めて、先住民アボリジニの言葉で国歌を斉唱した。この行動に共感が広がり、オーストラリアのスポーツイベントで定着させようと訴える声が上がっている。

ワラビーズは5日に開かれたトライネーションズの大会でアルゼンチン代表と対戦。試合前に、パフォーミングアートを学ぶ先住民系の学生オリビア・フォックスさんが、まずシドニー都市圏の先住民の言葉で国歌を斉唱し、続いて英語で斉唱した。

ワラビーズの選手23人は、先住民のデザインをあしらったユニフォーム姿で、フォックスさんの言葉をなぞって一緒に国歌を斉唱した。

ロイター通信によると、主将のマイケル・フーパー選手は「1週間かけて練習し、この機会が持てたことを誇りに思う。かなりいい響きだったと思う」とコメントしている。

主要スポーツ大会でオーストラリアの国歌が先住民の言語で歌われたのは今回が初めて。元選手やジャーナリストからは称賛の声が相次いでいる。

グビーのオーストラリア代表チームはトライネーションズの大会でアルゼンチン代表と対戦した/Speed Media/Icon Sportswire/Getty Images
グビーのオーストラリア代表チームはトライネーションズの大会でアルゼンチン代表と対戦した/Speed Media/Icon Sportswire/Getty Images

一方で、先住民のスター選手、ラトレル・ミッチェルさんは依然として国歌の歌詞の内容を批判、「言語を変えても意味は変わらない」とインスタグラムに投稿した。

国歌については今も先住民の多くが人種差別的だとみなしており、「for we are young and free(我々は若くて自由だ)」という歌詞については、オーストラリアが世界でも有数の古代文明を誇る国だという理由で反発が根強い。

国歌に先住民の言葉を取り入れている国はほかにもあり、例えばニュージーランドの国歌は先住民マオリの言葉と英語の両方で歌われている。

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