死後提供されたNFL選手の脳、99%に「慢性外傷性脳症」

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(CNN) 米プロフットボールリーグ(NFL)の元選手から死後に提供された脳を調べた結果、頭部への度重なる衝撃が原因とされる脳の疾患「慢性外傷性脳症(CTE)」が99%にみられたと、米国の研究者らが発表した。

米ボストン大学でCTEの研究所を率いるアン・マッキー博士らが、25日発行の医学誌JAMAに発表した。

CTE患者の脳内では「タウ」というたんぱく質が異常な構造に変化して蓄積し、それが記憶障害や認知障害、抑うつなどの症状につながることが知られている。

研究チームが高校や大学、またはプロチームでのフットボール経験を持ち、頭部に繰り返し外傷を負った故人202人の脳を調べたところ、177人にCTEの病変がみられた。特に元NFL選手のグループでは、111人中110人がCTEだったと確認された。この中には故ケン・ステーブラーさんら、すでにCTEが公表されていた選手もいる。

フットボール経験が高校時代だったグループでは14人中3人、大学時代のグループでは53人中48人にCTEが見つかった。

フットボール選手のCTEに関する研究としては過去最大の規模とされる。「フットボールというスポーツに問題があることは間違いない」と、マッキー博士は強調する。

ただ、研究に検体を提供したのは生前からCTEの症状を示していた選手の遺族が多かったとも考えられ、対象が偏っていた可能性もある。この結果から、フットボール経験者全体に対するCTEのリスクを推定することはできない。

マッキー博士はまた、対象者の大半が1950~90年代の選手だったと指摘。用具や医療的な手順など、今とは状況が違うとも指摘している。

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