検閲や暗黙のルール、独自のスピード感――中国の映画製作現場を訪ねて

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世界最大規模の野外撮影所として知られる「横店影視城」で話を聞いた

世界最大規模の野外撮影所として知られる「横店影視城」で話を聞いた

日中戦争の時代を描いたヒット作「南京(なんきん)!南京!」(09年)は、日本軍兵士への同情的な視点がみられるとして注意を受けた。

そもそもこの作品が事前の検閲にかからなかったのはなぜだろう。「それは分からない」と、陸氏は話す。「脚本のチェックを受けるのにほぼ1年、作品を仕上げた後でビデオを提出してから半年もかかるのが普通。特定の人物のせいではなく、そういうシステムなのだ」という。

中国の映画会社、DMGエンターテイメントの最高経営責任者(CEO)で、ハリウッド映画の配給を手掛けてきたダン・ミンツ氏によれば、検閲ルールの運用にはあいまいな部分もある。「中国で上映されている作品を見ると、必ずしもルールに従っていないことが分かるはずだ」と、同氏は指摘する。

中国当局は国内での上映を禁止する映画の内容として「社会秩序を乱す」「社会道徳を脅かす」「カルトや迷信を広める」などの例を挙げている。

それなら、たとえば昨年の米SF映画「ルーパー」はどうだろう。タイムトラベルというテーマは「カルトや迷信」に相当するとの解釈も十分あり得る。だが実際には、この作品の一部は中国で撮影され、公開後も中国で大ヒットを記録した。

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