超加工食品の摂取、10%増で認知機能低下リスク16%上昇か 新研究

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ホットドッグなどの超加工食品の摂取量が増えると、脳卒中や認知機能低下のリスクが高まるという/LauriPatterson/E+/Getty Images via CNN Newsource

ホットドッグなどの超加工食品の摂取量が増えると、脳卒中や認知機能低下のリスクが高まるという/LauriPatterson/E+/Getty Images via CNN Newsource

(CNN) 新たな研究によると、超加工食品を多く食べると、健康を維持するための食事法とされる地中海食やダッシュ食、マインド食を実践していても認知機能の低下や脳卒中のリスクが高くなることがわかった。

この三つの食事法はすべて植物性で、砂糖、赤身肉、超加工食品を制限する一方で、果物や野菜、全粒穀物、豆類、シード類を多く摂取することに重点を置いている。

ある専門医は、この研究は関連性を示すだけで、直接的な因果関係を示すものではないとしながらも「この研究では超加工食品の摂取量を10%増やすと認知機能障害のリスクが16%増加した」と説明した。

一方、未加工食品または最小加工食品を多く食べることは認知機能障害のリスクを12%低下させることにつながった。研究結果は学術誌「ニューロロジー」に22日に発表された。

未加工食品とは、新鮮な果物や野菜、卵、牛乳などだ。最小加工食品には、塩、ハーブ、油といった料理の材料や、それらと未加工食品を組み合わせた缶詰や冷凍野菜などの食品が含まれる。

超加工食品には、パックに入ったスープ、ソース、冷凍ピザ、インスタント食品、ホットドッグ、ソーセージ、フライドポテト、ソーダ、市販のクッキー、ケーキ、キャンディー、ドーナツ、アイスクリームなどの嗜好(しこう)食品が含まれる。

このような食品は一般的に高カロリーで砂糖、塩分が多く含まれ、食物繊維が少なく、心代謝性の健康問題、体重増加、肥満、2型糖尿病、高血圧の原因になるとされている。

脳卒中リスクの増加

この研究では、3万人データを分析している。その内訳は出身地がさまざまな白人と黒人が半数ずつで、最長20年間追跡調査されている。

研究の著者であるマサチューセッツ総合病院のテーラー・キンバリー博士によると、脳卒中のリスクは、最も多く超加工食品を食事に加える人のほうが最小加工食品を食べる人よりも8%高かった。

このリスクは黒人では15%に上昇したが、これは超加工食品が高血圧に影響するためだと考えられるという。一方で、未加工食品または最小加工食品を多く食べると、脳卒中のリスクは9%低下することがわかった。

高まる超加工食品の危険性

超加工食品の危険性に関する研究は数多くある。2月に発表された、約1000万人を対象にした45のメタ分析のレビューによると、超加工食品を10%多く食べた場合、数十種類の不健康な状態の悪化やそれらによる死亡のリスクが高まった。

この10%の増加は「基準値」と考えられ、超加工食品を増やせばリスクは高まる可能性があるという。

レビューによると、超加工食品の摂取量が多いほど、心血管疾患に関連した死亡や一般的な精神疾患のリスクが約50%高くなるという大きな証拠が示された。

超加工食品を多く食べると、肥満のリスクが55%、睡眠障害が41%、2型糖尿病の発症が40%、うつ病のリスクが20%上昇することを強く示唆する証拠も見つかっている。

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