古代シチリアの「聖なる湖」、夜空の星に合わせて設計

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冬の星空が人工池の水面に映し出される様子/Lorenzo Nigro

冬の星空が人工池の水面に映し出される様子/Lorenzo Nigro

研究者チームはまた、星の動きを映し出すために湖面が使われていた可能性があると考えている。当時は、航法や祭日を守るために星の位置の把握が欠かせなかった。

研究チームは「フェニキア人は星や星座を神や聖なる祖先とみなしていた」と記している。

2019年、池は再び水で満たされ、中央の台座にはバアル神の像のレプリカが置かれた。

モティアが青銅器時代から鉄器時代にかけて活動拠点となっていたのは、淡水、塩、魚のような天然資源が豊富で、防御の整った港だったことによる。この場所は北アフリカとイベリア半島、サルデーニャ島をつなぐ戦略的要衝でもあった。

紀元前7世紀までには、モティアは地中海の中部や西部の交易に参加するようになったが、これがきっかけでシチリア海峡の対岸に位置するカルタゴと直接衝突する結果になった。

カルタゴ軍は紀元前6世紀にモティアを攻撃。しかし同市はこれを跳ね返し、周囲の壁や2つの宗教施設を建設した。

ギリシャのシラクサの独裁者ディオニュシオス1世がモティアを包囲したとき、カルタゴは支援が遅れた。モティアは紀元前396~97年にかけて包囲・破壊され、ついに滅亡した。

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