ネアンデルタール人、シカの骨に装飾目的の彫刻 独研究

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ネアンデルタール人によるものとみられる切れ込みの入ったシカの足指の骨/V. Minkus/NLD

ネアンデルタール人によるものとみられる切れ込みの入ったシカの足指の骨/V. Minkus/NLD

(CNN) ドイツ北部の洞窟から幾何学模様が彫られたシカの骨が見つかった。年代は5万年以上前とされ、研究者らは当時のネアンデルタール人が装飾を施したものではないかとみている。

当該の骨は氷河期に生息していたオオツノジカの足指のもの。表面に山形の線を一定の間隔で重ねたような切れ込みが入っている。複数の技法を使って彫られたもので、年代は少なくとも5万1000年前にさかのぼるという。

骨の発見を受け、約4万年前に絶滅したネアンデルタール人に関する議論が再燃。芸術表現や表象的思考はどの程度可能だったのか、彫刻技術を持っていたとすればそれは自分たちで発達させたものか、あるいはこの時期欧州に到達していた初期の現生人類との交流の中で身に着けたのか、といった考察が行われている。

5日にネイチャー誌で発表された論文によれば、骨に彫られた上記の図柄はこれまで知られるネアンデルタール人の文化的表現の中でも最も複雑な部類に属するという。

ドイツの研究チームは当該の骨について、実用的な用途はなく、模様は意図的に彫られたものだと指摘。おそらくは装身具だとの見解を示した。

英ロンドン自然史博物館で人類進化研究センターの研究員を務めるシルビア・M・ベッロ氏は、論文に添えた解説で「素材の選定から彫る前の準備、優れた彫刻技術に至るまで、あらゆる点から高度な専門知識と素晴らしい技量を駆使して骨を加工していたのが分かる」と述べた。同氏は今回の研究にかかわっていない。

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