全長3mの巨大ガメの甲羅、南米で化石発見 ワニと格闘の痕も

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化石を基にしたイメージ図。甲羅の全長が約3メートル、重さが1100キロ以上ある化石が見つかった/Jaime Chrinos

化石を基にしたイメージ図。甲羅の全長が約3メートル、重さが1100キロ以上ある化石が見つかった/Jaime Chrinos

(CNN) 今から500万年から1000万年前、南米の淡水の沼地に生息していた巨大ガメの化石が、ベネズエラとコロンビアで発掘された。コロンビアのロサリオ大学などの研究チームが12日の科学誌に発表した。

発掘されたのは、「ステュペンデミス」と呼ばれる史上最大級のカメの化石で、甲羅の全長は約3メートル、重さは1100キロ以上あった。

甲羅と下あごの化石を調べた結果、オスの甲羅には頭蓋骨(ずがいこつ)を守るための角状の突起があったことが分かった。しかし、甲羅には巨大な噛み跡が残っていて、巨大なワニに襲われたカメが、この甲羅でも身を守り切れなかったことを物語っていた。

ステュペンデミスは1976年、古生物学者のロジャー・ウッド氏が最初に報告していた。しかし今回新しい化石が見つかったことで、その大きさと、首の周りの部分が角状に突き出した甲羅の形状が明らかになった。

この角は、オス同士が争う際に巨大な頭蓋骨を守る役割も果たしていた。メスの甲羅に角はなかった。

一方、下あごの化石の発見は、餌について解明する手がかりとなり、ステュペンデミスがさまざまな魚やワニ、ヘビ、軟体動物を餌にしていたことが分かった。

オスのカメの化石と並んで写るベネズエラの研究者/Edwin Cadena
オスのカメの化石と並んで写るベネズエラの研究者/Edwin Cadena

化石が見つかった場所は、今ではほとんど砂漠と化しているが、数百万年前は淡水の沼地で多様な生物が生息しており、カメが巨大化する完璧な環境が整っていたと研究者は解説する。

ステュペンデミスが絶滅した理由は分かっていない。ただ、アンデス山脈が隆起してアマゾン川とオリノコ川、マグダレナ川が分かれたことで、生息地は破壊されていた。

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