飲料水内のマイクロプラスチック、健康リスクについて初見解 WHO
(CNN) 水道水やボトル入り飲料水に混入したマイクロプラスチックの健康リスクについて、世界保健機関(WHO)が初の見解を公表し、「現在のレベルでは健康リスクは生じないと思われる」との見方を示した。
ただし、現時点で利用できる情報は限られると述べ、マイクロプラスチックが人の健康に及ぼす影響についてはさらなる調査が必要だとしている。
WHOの専門家は、マイクロプラスチックは飲料水を含めて至る所に存在していると指摘、「健康に対するマイクロプラスチックの影響については早急にもっと詳しく調べる必要がある」とした。
WHOの調査では、マイクロプラスチックの物理粒子と化学物質、およびマイクロプラスチックに付着している可能性のある微生物について、潜在的な有害性を調べた。
その結果、根拠となる情報は限られるものの、化学物質と微生物病原菌については人の健康に関連した懸念は低いと報告した。
マイクロプラスチックについては、大きさが150ミクロンを超す粒子が人体に吸収される公算は小さく、それより小さい粒子の摂取は限られると推定。一方で、ナノ級の粒子を含む超小型のマイクロプラスチック粒子の方が危険は大きいかもしれないと判断した。
ただ、ナノ粒子の毒性について結論を出すには情報が不十分だと指摘、懸念材料となるような信頼できる情報はないとしている。
英国立海洋研究所の専門家は、「マイクロプラスチックが人の健康にとって有害であることを示すデータは現時点で存在しない。だがそれは必ずしも、無害という意味ではない」と解説している。