「燃える氷」は新時代のエネルギーとなるか<上> 日本で進む研究

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メタンハイドレートを取り出し、天然ガスを生産することに成功

メタンハイドレートを取り出し、天然ガスを生産することに成功

その前にまずメタンハイドレートを発見する必要があるが、松本氏によると、日本は西太平洋および日本海東縁部の排他的経済水域に豊富に存在することが確認されているという。

特に日本の技術者たちが注目しているのが南海トラフだ。南海トラフは中部沖50キロに位置する細く、長い溝で、採掘されたサンプルや地震のデータを分析した結果、このトラフの下には日本のガス需要の10年分に相当する1.1兆立方メートルのメタンが眠っていることが分かった。

世界初のガス産出

日本政府出資の研究グループ、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)は、2013年に世界初のメタンガス産出試験を実施した。

MH21のフィールド開発技術グループリーダー、山本晃司氏のチームは、世界で初めて海洋におけるガスハイドレートからの天然ガスの産出に成功したが、パイプ内に砂が混入したため開始からわずか数日で停止を余儀なくされた。

そして2017年、山本氏のチームは2回目の海洋産出試験を実施した。

同チームはまず井戸を2つ作り、さらに砂の混入を防ぐためパイプを特殊なポリマーで覆った。2つの井戸のうち1つは今回も砂の混入で閉鎖されたが、もう1つの井戸ではガスが流れ続けた。

MH21によると、この2回目の産出試験で計23万5000立方メートルのガス産出に成功したが、山本氏は砂問題の確実な解決策はまだ見いだせていないとしている。

次回「『燃える氷』は新時代のエネルギーとなるか<下> 中国との競争」は1月3日公開

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