幼児期の読み聞かせで左脳が活発に 米小児科研究

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本に接する機会を増やすことは社会性や学習能力のスムーズな獲得につながるとみられる

本に接する機会を増やすことは社会性や学習能力のスムーズな獲得につながるとみられる

ボストン医科大学教授のバリー・ザッカーマン氏によれば、幼い時期から本に接していた子どもがその後、さまざまな指標で好成績を残すようになることを示す研究は以前から多くあった。こうした子どもは語彙(ごい)力や集中力が高く、幼稚園に入る準備も良くできているという。

読み聞かせの効用に関するこれらの研究の幾つかは、ザッカーマン氏が創設した「リーチアウト・アンド・リード」プログラムに参加する子どもたちを対象に行われたもの。同プログラムでは、生後6カ月~5歳の貧しい子どもたちに本を配布するほか、識字能力についてのアドバイスを親に提供している。

ザッカーマン氏は今回の研究に関連して、行動面の指標よりも脳活動の変化を示す方向に政策担当者の注目が移る可能性を危惧。同氏のプログラムに対しては5~6年ほど前に、連邦政府からの助成金が打ち切られたという。

同氏は一方で、今回の研究結果が再現されれば、診断テストの策定につながるかもしれないとも指摘。識字能力に問題を抱える子どもに対しfMRI検査を行うことで、医師は問題の原因を把握できるようになると期待を寄せる。こうした脳スキャンから、左脳の問題を解決するため本に多く接することが必要なのか、失読症など脳の他の部位に関連する識字困難の問題なのかを区別できるようになるとみられるからだ。

脳の活動が少ない子どもが将来どうなるのかは、依然として未解明。ただホロウィッツクラウス氏は、幼い時期の影響が「長く続くのではないか」と推測。脳の発達は0~6歳の間に急速に進むため、本に接する機会が増えればそれだけ、社会性や学習能力などに直結する脳のネットワークの成長を一段と促すことにつながるという。

同氏はまた、読み聞かせの効用は親の側にも及ぶと指摘。読み聞かせは育児のなかでも至福の行為であり、「子どもが親と最もゆったりと過ごせる時間ではないか」と述べた。

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