「盗まれた赤ん坊」、41年ぶりに母と再会 チリ

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チリで暮らす家族・親類に囲まれるトリバーさん、レジェスさん親子=トラビス・トリバーさん提供

チリで暮らす家族・親類に囲まれるトリバーさん、レジェスさん親子=トラビス・トリバーさん提供

チリの児童保護団体SENAMEによれば、同様の被害は同国が独裁政権下にあった1970~80年代にかけて相次いだ。同団体が現在調べているだけでも数百人に上り、被害は数千人に及ぶ可能性もあるという。

トリバーさんも当局と連携して、生まれて間もない自分の身に何が起きたのかを調べている。

被害に遭った赤ん坊は、盗まれて売られたケースもあれば、祖父母が人に知られたくない娘の妊娠・出産を隠すために医師や看護師、聖職者と共謀して捨てたケースもある。

検察は、1970年代に未成年者の誘拐や文書偽造にかかわった疑いで1人の聖職者を捜査していたことも明らかにした。しかし、たとえ証拠が見つかったとしても、既に時効を過ぎていて起訴はできない。

この聖職者は昨年4月、地元テレビ局の取材に対し、犯罪行為への関与を否定した。

トリバーさんがどのような経緯で母親から奪われたのか、金銭が絡んでいたのかどうかなど、詳しいことは分かっていない。トリバーさんによれば、育ての親は捨てられた赤ん坊だという説明を信じていて、実の親から盗まれたとは思っていなかったという。

自らも2人の子の親になったトリバーさんは昨年、チリで子どもが盗まれる事件が多発しているとの米国内の報道を目にしたことをきっかけに、自分の過去についての真実を知りたいと決意する。

DNA鑑定の結果、レジェスさんとの血縁関係が確認されたトリバーさんは、現在チリに滞在しながら兄弟姉妹と再会したり、ゆかりの地を訪ねるなど忙しい毎日を送る。取材に対し「ようやく故郷に戻ってこられた気がする。これからこの国のことをもっと知りたい」と言葉を弾ませた。

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