現生人類とネアンデルタール人の「共生」を裏付ける頭蓋骨

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論文によれば、この頭蓋骨は「中部旧石器時代と上部旧石器時代の境目に、現生人類とネアンデルタール人が東地中海沿岸南部に同時に暮らしていた証拠となる唯一の標本」と言えるという。

つまりこの地で、両者の交雑が行われた可能性もあるというわけだ。

DNA分析は行われていないため、この頭蓋骨が本当にアフリカから来た現生人類の子孫なのか、またネアンデルタール人の血を引いているのかを断言することはできない。それでも、交雑の可能性があったことはまちがいない。

「マノットは現生人類とネアンデルタール人が交雑した最も有力な候補地だ」とヘルシュコビッツ教授はガーディアンに述べている。「実際のところ、他に候補地はない」

学界の反応はおおむね好意的だ。ただし標本が1つしか見つかっておらず、それも頭蓋骨の一部にすぎないという点には留意が必要だとの見方もある。

ロンドンの自然史博物館のクリス・ストリンガー研究員はツイッターで「交雑はアジアのどこかで(5~6万年前に)起きた可能性がある。それにこの頭蓋骨からは情報量の多い部位が失われている」と、慎重な考えを示している。

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