盗難のゴーギャン作品が台所の壁に、40年ぶりに発見 伊
ローマ(CNN) イタリア文化省は2日、40年以上前に盗まれたフランスの巨匠ゴーギャンとボナールの絵画2枚が、同国の工場で働いていた男性の自宅から見つかり、警察が押収したと発表した。時価は推定数十億円。しかし男性はそれほどの価値があるとは知らないまま、台所の壁に飾っていたという。
2枚の絵画は1970年に英ロンドンの民家から盗まれたが、パリとイタリアのトリノを結ぶ列車の中に放置されていたことから、忘れ物として鉄道会社が保管。75年の遺失物オークションで、イタリア・フィアットの工場に勤務していた作業員の男性が、4万5000リラ(現在のレートで約22ユーロ=約3000円)で落札した。
この男性は絵画に関心があったものの、自分が落札した作品の真価は知らないままトリノの自宅に飾り、引退後はシチリア島に持って行った。
昨年夏になって不審に思った友人が警察に通報。盗難絵画の専従捜査班が調べたところ、1970年に盗まれた作品と一致することが分かった。
このうちゴーギャンの絵画「テーブルの上の果実あるいは静物と子犬」は1889年の作品とされ、警察によると時価1000万~3000万ユーロ(約14億~43億円)。ボナールの絵画は「女性と2脚の肘掛け椅子」の題名が付いている。
当時の持ち主は既に死亡しており、返却先は不明。当面は警察の金庫に保管される。