トランプ氏、パウエル議長の提訴を検討 FRBの建物改修めぐり
(CNN) ホワイトハウスのレビット報道官は12日、トランプ大統領が連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長を提訴することを検討していると述べた。
レビット氏の発言は、トランプ氏が12日に「パウエル氏に対する大規模な訴訟の提起を認めることを検討している」と投稿したことを受けてのもの。
トランプ氏は自身のSNSに「幸いにも経済はきわめて好調で、我々はパウエル氏と自己満足に浸るFRBを乗り越えた。しかしパウエル氏がFRBの建物の建設管理でみせた、あからさまにひどい仕事ぶりのために、大規模な訴訟の提起を認めることを検討している」と投稿した。
FRBはこの動きについてコメントを控えた。
トランプ氏が法的措置を検討しているのは、FRBが利下げの要求を受け入れないためだ。トランプ氏は以前、これを理由にパウエル氏を解任すると警告していたが、最近は、任期満了となる来年5月まで留任を認めるとしている。後任の人選については、通常より数カ月早く発表する意向を示している。
上院で承認されたFRB理事は「正当な理由」でのみ解任できるため、パウエル氏の解任は法的に複雑な手続きになるとみられる。
しかし、トランプ氏は「正当な理由」の根拠として、FRBの数十億ドル規模の建物改修に目を付けているようだ。同氏は、この改修工事について「5000万ドル(約74億円)の費用がかかるはずだった。良くない!」と主張した。
トランプ氏は最近、FRB理事の欠員補充として、スティーブン・ミラン大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を指名すると発表した。上院で承認されれば、ミラン氏は数カ月間理事を務めることになるが、議長には指名しない公算が大きいという。
トランプ氏は、議長の後任について、FRB元理事のケビン・ウォーシュ氏、国家経済会議(NEC)のケビン・ハセット委員長、FRBのクリストファー・ウォラー理事を有力候補として検討していると述べた。