米ボーイング、30%の賃上げを提案 スト終結目指す
ニューヨーク(CNN) 米航空機大手ボーイングは23日、国際機械工労働組合(IAM)に対し、4年間で30%の賃上げを新たに提案した。ボーイングの労組によるストライキは11日目に入った。
今回の新たな提案には、4年間で30%の賃上げのほか即時に12%昇給することも含まれる。こうした数字は、今月12日にストに入る前に行われた投票でほぼ全員が反対票を投じた全体での25%の賃上げと即時の11%の賃上げを上回る。
ボーイングはウェブサイトで公開した組合員に宛てた声明で、「みなさんからの反応を聞いた。重要な分野で、より多くの資金を提供するため、大幅な改善を行った」と述べた。
ボーイングでのストは16年ぶり。経営危機にあるボーイングではストにより商用機の生産がほぼ停止している。ボーイングは、巨額の損失を計上するなど、さまざまな問題を抱えているものの、依然として米国の製造業大手であり、米国の航空輸送にとって不可欠の存在だ。ボーイングは米国最大の輸出企業であり、同社の推計によれば、米経済に790億ドル(約11兆3500億円)の貢献をしているほか、全米50州で直接的・間接的に160万人の雇用を支えているという。
ボーイングは今回の提案について27日を期限としている。
組合側は今回の提案について、組合員を教育するための十分な時間がないことや、何らかの交渉手続きを経てはいない会社側からの一方的な提案であることから、27日の期限までに投票は行われないとの見通しを示した。