米民主党のシンボルになった「マクドナルド」、大統領候補夫妻がバイト経験を宣伝
ニューヨーク(CNN) この秋の米大統領選挙でもしも民主党のカマラ・ハリス氏が大統領に選出された場合、数多くの「米国史上初」が実現する。その一つが「2人ともマクドナルドでバイト経験のある大統領夫妻」の誕生だ。
マクドナルドによると、ハリスと夫ダグラス・エムホフ氏の経歴は、マクドナルドで働いたことがあるという点で、米国人8人のうち1人(13%)と共通する。
民主党はライバルの名に言及さえせずに労働者階級の支持を集め、ドナルド・トランプ前大統領の共和党陣営を常識外れのエリート層に見せるための強力な手段として、全国大会でこの経歴を宣伝した。
民主党陣営が演説やキャンペーン広告を通じて有権者に印象付けようとしたのは、中流階級の家庭でシングルマザーに育てられ、学費を稼ぐために夏休みを利用してフライドポテトを揚げていたハリス氏の姿だった。
21日の演説に登場したビル・クリントン氏は、かつてマクドナルドの常連客としてお笑いのネタにされたこともある元大統領。ハリス氏の選出を心待ちにしていると述べ、なぜなら「マクドナルドで過ごした時間が最も長い大統領という私の記録を、ついに破ってくれるからだ」と持ち上げた。
エムホフ氏も20日の演説で、高校生の時に「金銭的に苦しくてマクドナルドでバイトした」と告白し、バイト先で月間最優秀従業員に選ばれたと胸を張った。
マクドナルドへの言及は当然ながら、有権者に親しみを持ってもらう目的で入念に計算された戦略だった。「マクドナルド」といえば、低賃金の肉体労働で悪名高く、それでもバイト経験者が誇りとする外食産業の代名詞でもある。
不動産王でテレビスターのトランプ氏が、流し台の排水溝からごみをかき集めたり、注文を間違えて客から怒鳴られたりする姿など想像できないことを、民主党は有権者に印象付けたい考えだ。