中国、若年失業率の公表を停止 集計方法に「改善が必要」

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北京のショッピングモールの靴売り場を訪れる買い物客/Wang Zhao/AFP/Getty Images

北京のショッピングモールの靴売り場を訪れる買い物客/Wang Zhao/AFP/Getty Images

香港(CNN) 中国は経済不振が続くなか、毎月記録を更新してきた若年失業率の発表を停止する方針を明らかにした。

国家統計局(NBS)が15日、先月の経済指標を発表した際に言及した。

これまでは毎月、16~24歳の失業率を発表していた。NBSの報道官は停止の理由について、集計方法を「改善する必要がある」と説明した。

同報道官は、この年齢層では近年、学生の人数が増えていると指摘。学生の本分は職を探すことでなく、勉強することだと主張し、「卒業前の就職活動を統計に含めるかどうかは見解の分かれるところだ。さらに研究の必要がある」と述べた。

若者が学生として過ごす年数も増えているため、年齢層の設定を改めて検討するべきだとも語った。

若年失業率は4月に20.4%、5月に20.8%、6月に21.3%と、過去最高記録を連続で塗り替えていた。

発表停止に対し、中国のSNS「微博(ウェイボー)」では「現在のデータはひどすぎるから当面は見ないようにしよう、というのが本当の意味だ」という書き込みに9000件の賛成票が集まった。

この日に発表された経済指標では、引き続き成長の減速が目立った。

先月の小売売上高は前年同月比2.5%増と、6月の同3.1%増から後退。新型コロナウイルス対策の規制が解除された昨年12月以来の低成長だった。

工業生産も予想を下回り、前年同月比3.7%増にとどまった。6月は同4.4%増だった。

固定資産投資は6月の前年同期比3.8%増から、先月は同3.4%増に下がった。

中国経済は輸出需要の低迷と不動産危機に苦しんでいる。アナリストらは、政策支援を早く強化しなければ景気後退に陥る恐れがあると懸念を示す。

中国人民銀行(中央銀行)は15日、予想外の追加利下げを発表。中期貸出制度(MLF)の1年物金利を0.15ポイント下げて2.5%とした。7日物リバースレポ金利も0.10ポイント引き下げ、1.8%に設定した。

これについてアナリストは、利下げが一定の助けになると評価する一方、劇的な変化は期待できないと指摘している。今後も追加利下げが予想されるものの、これまでの経緯からみて小規模にとどまり、需要回復の効果は見込めないとの観測が強い。

13日には国務院(内閣に相当)が、外国からの投資誘致に向け、外国企業への税制優遇措置やビザ発給の円滑化、外国へのデータ移転規制の緩和などを盛り込んだ24項目の指針を発表した。

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