米で盛り上がるウォッカのボイコット運動、実は的外れな理由

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米国でウォッカの不買運動が広がっているが、こうした行動は的外れになる可能性が高そうだ/Andrey Rudakov/Bloomberg/Getty Images

米国でウォッカの不買運動が広がっているが、こうした行動は的外れになる可能性が高そうだ/Andrey Rudakov/Bloomberg/Getty Images

ニューヨーク(CNN Business) ロシアによるウクライナ侵攻を受け、米国でウォッカに対する風当たりが強まっている。

これまでにオハイオ、ユタ、ニューハンプシャーの3州が酒販店に対し、ロシア産またはロシアブランドのアルコール飲料を売り場から撤去するよう求めた。この措置は主にウォッカが対象となっている。

ユタ州のスペンサー・コックス知事は26日、州営の酒販店に対して「ロシア産およびロシアブランドの製品を全て撤去」するよう指示。ロシアによるウクライナ侵攻を「はなはだしい人権侵害」と位置付けた。

ニューハンプシャー州のクリス・スヌヌ知事も同様の発表を行い、「ロシア産およびロシアブランドのスピリッツ」の撤去を求めている。

ただ、そうした動きは大部分が象徴的なものにすぎない。実は米国に輸入される酒類の中でロシア産が占める割合は極めて少なく、ボイコット運動は的外れになる可能性もある。

米国でよく売れているロシア発祥の蒸留酒の多くは、米国を含む複数の国で生産されている。

例えば多くのバーがロシアの侵攻に抗議して破棄しているウォッカの「ストリチナヤ」。この名称は、発祥地のモスクワにちなんで「首都」の意味がある。しかし実際の生産地はラトビアで、本社はロシアの侵攻に反対を表明した北大西洋条約機構(NATO)加盟国のルクセンブルクにある。

ストリチナヤを生産するストリ・グループはCNN Businessに寄せた声明で「ウクライナにおける軍事行動を非難する」と述べ、ウクライナとロシアの和平を呼びかけた。

「スミノフ」もロシア産と混同されている。同社の歴史は19世紀のロシアにさかのぼるが、現在は酒造大手の英ディアジオの傘下にあって、米イリノイ州で生産されている。

オハイオ州のマイク・デワイン知事はもっと対象を絞り込んだ発表を行った。知事は26日、州内に約500店ある酒販店に対し、ロシアン・スタンダードが製造するウォッカの買い入れと販売を中止するよう求めた。

ロシアン・スタンダードは、やはり知名度の低いウォッカのグリーンマークと並び、ロシアから輸入されて米国で販売されている数少ないアルコール飲料のひとつ。親会社のルスト・インターナショナルを経営する実業家ルスタム・タリコ氏はロシアン・スタンダード銀行の経営者でもある。

蒸留酒メーカーでつくる米蒸留酒協議会(DISCUS)によると、ウォッカの年間販売額約70億ドルのうち、ロシア産ウォッカが占める割合はごくわずかにすぎない。

米国のウォッカ消費量に占めるロシア産ウォッカの割合は1%未満。アルコール飲料市場調査会社のIWSRによれば、米国で消費されるウォッカは米国内産が半分以上を占めている。

ロシアから米国に輸入されるウォッカは数年前から減少傾向にあり、2011年以来79%減少した。

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