空き室あふれる中国の「ゴーストタウン」、ドイツの全人口住める規模に

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北京に林立する住居ビル群。居住用不動産の需要は持続的減退期に入ったとする見方も/Greg Baker/AFP/Getty Images

北京に林立する住居ビル群。居住用不動産の需要は持続的減退期に入ったとする見方も/Greg Baker/AFP/Getty Images

同氏の最近の報告によれば、今年の上半期で中国の不動産会社12社が債務不履行に陥った。焦げ付いた資金の総額はおよそ192億人民元(約3400億円)に上るという。

これは1~6月期に中国本土の企業が支払えなくなった債務の20%近くを占める。全産業で最も高い割合だとチュー氏は語る。

新型コロナのパンデミック(世界的大流行)から経済が再開する中で、建設業界もある程度は上向いたものの、好調が長く続くことはなかった。

この数カ月で価格上昇率や住宅着工件数、住宅販売といった指標は著しく低下したとチュー氏は分析。8月には床面積を基準にした不動産販売が前年同月比で18%の減少を記録したほか、新築住宅価格も同3.5%増と、パンデミックからの回復後最も小さい上げ幅にとどまったという。

さらに、未完成物件の問題がある。中国の新築物件の約9割は完成前に販売が完了する。もし開発業者に問題が生じれば、その影響は買い手を直撃することになる。ウィリアムズ氏はこうした状況が「当局が破たんした開発業者を再構築させながら、継続中のプロジェクトを進行させようとする強い動機となっている」と語る。

この数週間、政府もこの危機の波及を食い止め、市民を守る姿勢を見せている。中央銀行も不動産市場の健全な発展を維持し、消費者の権利と利益を守ると誓って、金融システムに資金を供給している。

ただ、すべての企業が破たんの差し迫っている状況にあるわけではない。キャピタルエコノミクスの中国担当のエコノミスト、ジュリアン・エバンズプリチャード氏は、「大半の開発業者はデフォルト(債務不履行)の危機にはない」として、危機波及の懸念から来る一時的な借り入れ費用の増大をしのげるとの見方を示す。

だが、長期的にはそうした安心感はあまり意味をなさないかもしれない。「これから来る10年間の構造的な住宅需要の減退をうまく切り抜けられるかどうか。そちらの方が難しい問題になるだろう。業界の統合が延々と続き、何年も経過する公算が大きい。開発業者が今すぐにも軒並み破たんするというシナリオは、比較的現実味が薄いように思える」とエバンズプリチャード氏は語った。

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