テスラ、今年は「完璧な年」にする必要あり ただし前途多難か

電気自動車大手テスラにとって今年は「完璧な年」となるか/Qilai Shen/Bloomberg/Getty Images

電気自動車大手テスラにとって今年は「完璧な年」となるか/Qilai Shen/Bloomberg/Getty Images

ロンドン(CNN Business) 米電気自動車大手テスラがこのほど発表した決算は、四半期ベースで過去最高となる利益を記録した。収益指標のひとつである調整後利益は10億ドル(約1088億円)の大台を初めて突破した。

しかし、青天井の株価を正当化するためには、テスラは今後多くの課題を克服する必要がある。

現在は世界的な半導体不足が生産の妨げとなっている状況で、重要市場である中国のビジネス環境も依然として問題含みだ。競合他社が業績を伸ばしているほか、テスラ自身もテキサス州での死亡事故に絡み安全面の調査に直面している。

それでも米金融街のアナリストの中には、テスラ株を依然として手堅い投資とみなす向きもある。金融情報会社リフィニティブによると、テスラ株は現在、1100倍以上の株価収益率(PER)で取引されている。

テスラの株価は2~3月に値下がりした後、4月に11%値上がりした
テスラの株価は2~3月に値下がりした後、4月に11%値上がりした

ビスポーク・インベストメント・グループは顧客に対し、「テスラ社の規模はまだ株価を正当化する水準には程遠いものの、生産は爆発的に増加している。2021年にベルリンとテキサスの工場が完成するのに伴い、さらなる業容拡大を見込んでいる」と説明した。

しかし、テスラの決算をより詳しく見てみると、同社が今年力強いスタートを切った大きな理由は、5億1800万ドルに上る温暖化ガス排出枠(クレジット)の売却収入と、暗号通貨ビットコインの保有高であることが分かる。

テスラは昨期、高騰していたビットコインに15億ドルを投資。同社の「マスター・オブ・コイン(最高財務責任者を表す肩書)」ことザッカリー・カークホーン氏によると、その後同社はポジションの10%を売り、1億100万ドルの利益を確定させたという。

より厳格な会計基準に合わせて今期の収益を調整した場合、テスラの利益は4億3800万ドルとなり、そのうち4分の1近くをビットコインの売却益が占めることになる。

テスラ車の販売が今年も好調さを保つ可能性は否定できないが、相変わらずリスクは多い。

「テクノキング」という正式な肩書を持つイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は26日、投資家に対し、半導体不足はテスラにとって「大きな問題」だと説明。「当社はこれまでで最大規模となる供給網の課題」を抱えていると述べた。

マスク氏はまた、今年の売り上げを50%以上伸ばす目標を断固達成するとしており、その場合、販売台数は75万台を超えることになる。

テスラがこの目標を達成するには、世界最大の市場である中国で引き続き力強い需要に恵まれる必要がある。だが目下、その中国で消費者と当局から潜在的な問題を突き付けられている状況だ。

先週開幕した上海モーターショーでは、テスラ車に問題があると抗議する人たちによって、同社のブースが取り囲まれる一幕があった。また同社は2月、上海工場で作られた車の品質をめぐる協議のため規制当局から呼び出しを受けた。3月には、車載カメラがスパイ行為に使われる可能性があるとの懸念から、中国軍が軍施設へのテスラ車の進入を禁じたとの報道も流れた。

テスラに目を光らせているのは中国当局だけではない。テキサス州ヒューストン郊外ではテスラの「モデルS」の事故で乗っていた2人が死亡する事故があり、同社は米安全調査当局と協力して対応している。

そのうえ、テスラはリビアンのような新興企業とのし烈な競争に直面している。フォルクスワーゲン(VW)やゼネラルモーターズ(GM)のような伝統的な自動車メーカーも電気自動車のラインアップを強化している。

テスラがこうした逆境をものともしない可能性はある。ビスポーク・インベストメント・グループによると、いずれにせよ同社の株価は財務業績から乖離(かいり)することが多い。それでも、テスラと「テクノキング」の前途は多難に見える。

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