花火が品切れか、自宅待機で気晴らし用の需要増 米
ニューヨーク(CNN Business) 米国の花火業界が好況で品切れが近く起きる可能性もあることが5日までにわかった。新型コロナウイルス対策で自宅待機を強いられた国民が気晴らしで花火に興じる機会が増えたことが一因とみられる。
感染拡大が進むなか、線香花火など消費者向けの製品の売り上げは2倍以上に達したという。米国で最大手級の企業「ファントム花火」の最高経営責任者(CEO)はコロナ禍で窮屈な生活を迫られていた人々が初めて野外活動を許され、花火を選んだと述べた。
昨年比で家庭向けなどの花火の需要は少なくとも115%増を記録。同CEOは自社製品が売れる状況とはとても思えず破産申請を考慮した時期もあったとも振り返った。
ただ、花火生産量で世界の90%以上を占める中国からの輸入が今年初期から滞っており、業界では近日中に供給不足が発生するとの懸念も出ている。
中国では通常、冬季に生産量の拡大を始めるが、今回は新型コロナの影響で大半の工場が閉鎖された。輸出量は今年1月、実質的にゼロの状態となり、1〜4月期の米国の輸入量が前年同期比で35%減になったという。
空っぽになった花火用のたな=ペンシルベニア州イーストン/John General/CNN
ファントム花火のCEOは米国内では今月5日までに調達し得る花火は多くないとも予想。中国側の生産や出荷の再開が鍵になるとした。
米国の花火業界は新型コロナの感染拡大で結婚式、スポーツ行事や独立記念日絡みの催事に使われる仕掛けが大がかりな専門的な製品への需要が大幅に減り、業績が急速に悪化。花火業界団体の責任者によると独立記念日関連の行事での花火披露は例年1万6000件あるが、今年は最大で約10%程度だった可能性があるともした。