地震で校舎が崩壊しても壊れない「強化机」
(CNN) イスラエルの工業デザイナーが地震で建物が崩壊してがれきの下敷きになっても壊れないという耐震強化デスクを開発した。地震の多い国の学校などに普及させ、防災対策に役立てて欲しいと訴えている。
この机は同国で工業デザインを学んだアーサー・ブラッターさんが、2010年のハイチ地震で倒壊した学校の写真を見て衝撃を受け、がれきの下敷きになった人たちの命を救いたいという思いから開発に着手した。
これに賛同した恩師のアイド・ブルーノさんも協力して、安価で軽量の耐震強化デスクを考案した。机は子ども2人が下に入れる大きさで、子どもでも持ち上げられる軽さと、上部からの1トンまでの圧力に耐えられる耐久性を兼ね備えている。
机の表面は全体に衝撃を行き渡らせる設計になっており、建物が崩壊して上からがれきが落ちてきても、構造が保たれるという。
既にイスラエル軍の耐久検査を済ませ、次は構造工学で有名なイタリアのパドバ大学で検査を予定している。
ブラッターさんらの推計によると、世界各地の地震国に住む子どもは約3億人。学校校舎が耐震化されていない途上国などでは、大地震が起きれば多くの子どもたちが犠牲になる恐れもある。
ブルーノさんは、この机を広く普及させ、命を守るために使ってほしいと訴えている。